小説 新・人間革命に学ぶ

人生の 生きる 指針 「小説 新・人間革命」を 1巻から30巻まで、読了を目指し、指針を 残す

SGI

SGI会長就任

『新・人間革命』第21巻 SGIの章 20P~

SGIも、IBLも、それぞれの国や社会の繁栄、世界平和の実現などに寄与するという目的は同じである。そのうえでSGIは、日蓮大聖人の仏法思想の理解を広げるとともに、メンバーが仏法を正しく理解し、信心の成長を図るために、信心活動の指導・助言を行うという役割を担っている。

その誕生は、世界の同志の切実な願いであり、要請であった。これまで、各国・地域の組織が連帯し、仏法を根底に平和と幸福を築き、文化の交流を行っていくために、世界の各州などに協力態勢がつくられてきた。各国のメンバーはさらに、それを広げ、全世界を一つに結ぶ、国際的な団体の発足を希望していたのである。

山本伸一も、その必要性を痛感していた。核戦争の脅威や地球環境の深刻な悪化、また、差別、貧困、飢餓など、現代のかかえる諸問題の多くが、国や地域を超えて、世界が連帯して立ち向かわなければならないテーマであるからだ。

11月には、各国のメンバーの代表で世界平和会議の実行委員会が設けられ、国際機構設立の準備も、この実行委員会が責任をもって進めることになった。その国際機構は、国際仏教者連盟(IBL)とすることが決まり、規約案もでき上がった。

IBLの役割は、各国の法人・団体などの互助組織的なものとなっていた。各国の代表はたちは"これでは何か足りない"と感じた。彼らが、本当に必要と痛感していたものは、各国の法人や団体の自主性のうえに、誤りのない信心の指導が受けられる機構であった。

世界のどの国にあっても、メンバーには"信心の在り方や教学を教わりたい"”人生の問題や活動の方法等、さまざまな事柄について指導を受けたい"という、強い思いがあった。特に、中心者が信心して日が浅く、活動経験に乏しい場合には、なおさらであった。

また、日蓮大聖人の仏法思想への理解を広げていくには、まず、自分たちが創価学会の歴代会長に流れる学会精神、師弟の精神を継承していかなければならないと、気づき始めていたのである。

創価学会の歴史を振り返りながら、この創価の師弟に連なり、その精神と実践とを体得せずしては、メンバーが大聖人の仏法の正道を歩むことも、人びとの幸福と平和の道を開くこともできないにちがいないーー。広宣流布の脈動も、その世界的な広がりも、創価学会の師弟の道にこそあるのだ。

国際的な機構をつくるといっても、大事なことは、山本先生に指導を仰ぐことができ、創価学会の精神を継承できる組織を誕生させることではないかと 東南アジアの代表は考え、それを会議の準備で語った。南米の代表も 最も大事なことは、学会精神に立つことだと話した。

アメリカの代表も、広宣流布とは、人間文化の開花であり、仏法を根底とした大文化運動であることを
山本先生に教えていただくしかない。「信心を学ぶには師匠が必要です」と話した。

IBLのほかに、創価学会の精神を学び、指導を受けることのできる国際機構をつくりたいとの、実行委員会の意向を聞いた山本伸一は思索を重ねた。だが、伸一は、すぐには結論を出さなかった。本当にそれが、各国のメンバーの要請なのかを、見極めたかったからである。

"信仰を貫き、深めていくことは、人間の最高の自発性の発露である。その信仰を触発し、指導するための機構であるならば、皆の強い自発的意見の総和によって結成されなくてはならない。"

人類の平和と幸福を担い立つ真の人材を育てようとする伸一の、ほとばしる思い、そして、仏法の師匠を求め抜く、世界の同志の一途な思いーーその師弟の心の結合がSGIを誕生させ、山本SGI会長という世界の創価学会の柱を打ち立てることになったのだ。

そして、この日、伸一は、全メンバーの総意をもって、SGI会長に就任したのだ。それは、広宣流布の歴史を画す、新しき旭日が躍り出た瞬間であった。


太字は 『新・人間革命』第21巻より 抜粋

SGI結成

『新・人間革命』第21巻 SGIの章 7P~

<新・人間革命 第21巻 開始>
< SGIの章 開始 >

1975年(昭和50年)1月26日。この日世界51ヵ国・地域のメンバーの代表158人がグアムの国際貿易センタービルに集い、第1回「世界平和会議」を開催。席上、世界各国のメンバーの団体からなる国際的機構として、SGI(創価学会インタナショナル)が結成されたのである。

そして、全参加者の相違として懇請され、山本伸一がSGI会長に就任したのだ。

世界の恒久平和を実現するには、一切衆生に尊極無上の「仏」の生命を見いだす仏法の生命尊厳の哲理を、万人万物を慈しむ慈悲の精神を、人びとの胸中に打ち立てなければならない。それが広宣流布である。

日蓮大聖人は「一閻浮提に広宣流布せん事一定なるべし」と仰せである。一閻浮提とは、全世界であり、世界広宣流布は絶対にできるとの御断言である。しかし、それは、ただ待っていればできるということではない。"この御本仏の御言葉を、虚妄にしてなるものか!"という弟子たちの必死の闘争があってこそ、広宣流布の大進展はあるのだ。

自身が主体者となって立ち上がるのだ。尊き使命を自覚するのだ。それが、地涌の菩薩として立つことなのだ。そこに、生の歓喜がみなぎり、崩れざる幸福への道が、境涯革命の道が開けるのだ。

大宇宙もわが一念にありと教えているのが仏法である。なれば、傍観者のような姿勢は「仏法を学して外道となる」生き方である。そこには生命の躍動もない。空虚な心の闇が広がっている。

グアムに集った代表は、いずれも各国のリーダーであり、広宣流布をわが使命として立ち上がった闘士たちであった。創価の先駆者であった。その一人立った勇者たちが、スクラムを組み、SGIという世界を結ぶ平和の長城の建設に立ち上がったのである。

この日の参加者は、後世に残る重大な記録として、署名を行うことになっていた。伸一もペンを手にした。署名簿には、氏名とともに、国籍を記す欄もあった。彼は、氏名欄に「山本伸一」と書いたあと、国籍の欄にはこう記した。「世界」ーー。

この時、彼の胸には、師の戸田城聖が叫んだ「地球民族主義」という言葉が響いていた。そして、心で亡き恩師に誓っていた。"先生!私は全人類の幸福と平和のために、世界の広宣流布に、わが人生を捧げます!"

伸一の心には、既に国境はなかった。民族の壁もなかった。伸一の国とは、地球それ自体であった。国籍「世界」という記帳は、彼の率直な心情の表れであった。世界を祖国とし、世界の人びとのために尽し抜く決意を込めて、署名したのであった。

グアムの代表は、力を込めて訴えた。「グアムの悲惨な歴史を背負った私たちには、最も声高に平和を叫ぶ使命があります。」「今回の世界平和会議の開催に際し、平和をめざす私たちの活動に賛同したグアム政庁は、1975年1月26日を『世界平和の日』と定めたのであります。」

宿命は使命である。残酷な戦争の舞台となってきた地であるからこそ、そこから平和への大波を起こす使命があるのだ。

イギリスの代表が経過報告に立った。「今や、戦争や公害をはじめ、人類を脅かす暗雲は、地球的規模で私たちの前に立ちはだかっております。それに対応するために、私たちのめざす運動も旧来のワクにとらわれることなく、人間と人間の幅広い世界的連帯と長期的展望に立たなければなりません。」

「もう一歩その連帯を広げ、世界を結ぶ意味から、全世界的機構として、国際仏教者連盟、略称IBLの結成を提案したいと思います。」

IBLの議長に就任したアメリカの代表は「われわれ全員の願いとして、われらの先生に創価学会インタナショナル(SGI)の会長として、さらに世界平和の指揮を執っていただきたいということであります。」

この日、この時、全世界の代表たちの総意により、山本伸一を会長とする創価学会の世界的なスクラムとして、SGIがスタートしたのだ。


太字は 『新・人間革命』第21巻より 抜粋

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