小説 新・人間革命に学ぶ

人生の 生きる 指針 「小説 新・人間革命」を 1巻から30巻まで、読了を目指し、指針を 残す

福島

正役職者と副役職者の団結

『新・人間革命』第25巻 福光の章 21p~ 

「全く弘教をしたことがない青年には、実際に仏法をどう語っていけばよいのか、教えていかなければならない。それには、先輩である壮年や婦人は、自分はこうして折伏してきたという、ありのままの体験を語っていくことです。

青年と共に仏法対話し、実践のなかで、具体的にどうすればよいか、手本を示しながら教えていくことも必要です。

人は、"とても自分には無理だ"と思えば、行動をためらってしまう。しかし、"できそうだ"と思えば、行動することができる」

行動をためらわせているものは何かを見極め、それを取り除き、勇気を奮いたたせることが、激励であり、指導である。

「私は、福島、そして東北の同志が、どんな困難もはねのけて、大発展していく力をつけてもらいたいんだ。それには、強盛な、何があっても決して壊れることのない、金剛不壊の信心を確立するしかない。一人ひとりが獅子になるんだ」

伸一は、8年前福島総合本部幹部会で示した、「希望に燃えて前進する福島」「生活闘争に勝利の福島」「生命力豊かな信仰の福島」との三指針を確認した。

「どんな深い絶望の闇のなかでも、心に希望の火をともしていけるのが信心なんです。」「人生を勝利するための勇気も、知恵も、忍耐も、強さも、その原動力は生命力です」

「生命力が弱ければ、心は、悲哀や感傷、絶望、あきらめに覆われ、愚痴も多くなり、表情も、声も、暗くなる。そうすると人もついてはきません。元気のある、明るい人を、みんなは求めているんです」

「生命力を満々とたたえ、自らが燃えていてこそ、人びとに希望の光を送る太陽の存在になれる。また、生命力にあふれていれば、すべてを前向きにとらえ、困難が大きければ大きいほど、闘志が燃え上がります」

「唱題によって、大生命力が、わが身に満ちあふれるならば、何があっても負けずに、どんな事態をも、悠々と乗り越えていくことができる。したがって、われら創価の同志には、克服できない苦境など絶対にないと、私は、断言しておきたいんです」

榛葉に向かって、厳しい口調で言った。「若くして中心者になったということは、未来を期待されてのことであり、必ずしも、力や実績が評価されたからではありません。年配の同志のなかには、折伏の数にしても、個人指導して立ち上がらせた人の数にしても、君よりも圧倒的に多い方がたくさんいます。

君の何倍も、苦労して、苦労して、苦労し抜いて、今日の創価学会を築いてくださった方は数知れません。そうした方々を守り、また、仕え、尽くしていくのが幹部なんです」

「幹部は、さわやかな笑顔で、皆を包み込んでいくんです。そして、会員の皆さんへの感謝が大切です」「もう一つ重要なことは、迅速な行動です」

「よく、こういう組織があります。必死になって頑張っている。しかし、結果的に、はかばかしい前進がない。それは本当に張り切って、駆け回っているのは、ライン幹部だけで、必勝の息吹が、組織全体に波及していないからなんです。

この状況を打開するには、全幹部が結束していくことです。特に、すべての副役職者が、いかんなく力を発揮していくことがポイントです。

世代交代の人事もあるので、副役職者の方が、正役職者より活動経験も豊富で、力もあり、年齢も上というケースも多くなっていくでしょう。それだけに、正役職者は、"副役職の方々の力をお借りするのだ"という姿勢で接し、尊敬していくことが大事です。

連絡なども、正役職者の方から積極的に取って、意見や応援を求めていくんです。また、副役職者の方の役割分担や責任を明確にしていくことも必要でしょう」

「どんなに時代が変わっても、広宣流布の責任を担うという、幹部としての根本の使命は、変わりません。しかし、時代とともに幹部に求められるものは、変化していきます。かつては、"威厳がある"ということが、幹部の大事な要件の一つであったが、今は、"気さくさ"や"親しみやすさ"の方が大切です」

「ところが、幹部自身に成長がなく、慢心があると、その変化に気がつかなくなってしまう。旧態依然とした自分のやり方でよいと思い、結局、時代に逆行し、広宣流布を遅らせてしまう結果になる」

「ともかく団結だよ。団結するということは、自分の人間革命をしていくということでもある。自己中心性やエゴイズムを乗り越えなければ、団結はできないからです」

「学会の世界にあって、団結するための第一の要件は何か。それは、皆が、広宣流布の師弟という堅固な岩盤の上に、しっかり立つことです。それが創価の団結の礎です。まずは師匠と呼吸を合わせ、師弟の魂の結合を図ることこそが、異体同心の一切の根本です」


新しい東北を創る

『新・人間革命』第25巻 福光の章 7p~ 

< 福光の章 開始 >

春を告げよう!
新生の春を告げよう!
・・・

君よ!
「悲哀」を「勇気」に変えるのだ。
「宿命」を「使命」に転ずるのだ。
・・・
「みちのく」に春を告げる
新生の太陽となって踊り出るのだ!


1977年(昭和52年)3月11日、山本伸一は、福島県に向かった。前年、日本は、冷夏や台風の影響で、米が戦後5番目の不作となっていた。多くの農家が辛酸をなめたのである。

さらに、12月から2月にかけて、日本は強い寒波に襲われた。寒波の影響は、農作物にも被害をもたらし、一時期、価格が急上昇した。東北は、この寒波でも、大きな影響を受けたのである。

福島県の榛葉則男と東北長の利根角治に視線を注ぎながら、気迫のこもった声で語りかけた。「来ましたよ!新しい福島を、東北を創ろう!今日からは、新章節への出発だよ」

伸一は、榛葉に広宣流布建設の本当の力とは何かを、語っておこうと思った。「新しい福島をつくるためには、根本は全同志の一念の転換であり、生命の革新だ。わが郷土を愛し、広宣流布に生き抜こうという、本物の闘士をつくっていくことだよ」

「広宣流布は、永遠の闘争だ。日蓮大聖人は『然どもいまだこりず候』と獅子吼され、迫害に次ぐ迫害をものともせずに、折伏の戦いを続けられた。これこそが、大聖人の御心であり、学会精神だ。

過去の歴史が、いかにすばらしくとも、皆が、草創期の闘士を失い、実践がなくなれば、やがて、広宣流布の衰退が始まってしまう。そうなれば、個人の宿命転換もできなければ、立正安国の実現もない。いよいよこれからだよ。

『命限り有り惜む可からず遂に願う可きは仏国也』というのが、大聖人の御指導ではないですか。誉れある創価の師弟であるならば、命の燃え尽きる瞬間まで、戦って、戦って、戦い抜くんです。

戦い続ける人が幸福なんです。その人が人生の勝利者です。したがって、今回は、草創期を切り開いてくださった指導部の方々との、新出発の意義もとどめておきたいんです」

伸一の話は「世代論」になっていった。「組織もできあがってから、幹部になってきた世代だけに、本当の苦労をしていない。そのためか、広宣流布の開拓力に欠けているという弱点がある。本当の折伏精神が身についていないというのが、私の実感でもある。だから、運営能力には長けていても、大闘争となると、生命が一歩引いてしまい、すぐに、腰が砕けてしまいがちだ。

苦戦のなかで勝利をもぎ取ってくるには、捨て身になって戦う、必死の覚悟がなくてはならない。広宣流布とは、未踏の原野の開墾作業だ。苦労して苦労し抜くんだ。

折伏や個人指導をはじめ、一つ一つの課題に、全力で真っ先に取り組み、自ら勝利の結果を示していくんだ。一人ひとりの同志に、誠実に、真剣に、体当たりでぶつかっていくんだ。それが師子王の生き方だよ」

自身の生命を磨き、鍛えるのは、広宣流布への「真剣な献身」である。伸一は、その精神を、若き県長に注ぎ込みたかったのだ。

どのようなことを心がけて、青年の育成に当られたのかとの質問に、「常に自分の方から青年たちに声をかけ、率直に対話して、励ましてきた。胸襟を開いて飛び込んでいくんです。『よく来たね。ご苦労様!大変だっただろう。頑張ったね』と包み込むように、力の限り励ましていくんです。『励ます』ということは、『讃える』ということでもあるんです」

「私は、青年を包容しながら、大きな責任を託した。そして、失敗した時には、最後は、全部、私が責任を取った。大切なのは、その度量だよ」

「学会の後継者として、青年時代に必ず身につけてほしいのは折伏力だ。創価学会は、日蓮大聖人の御遺命である広宣流布を実現するために出現した折伏の団体だもの。その後継者である青年たち阿、弘教の大闘志に育たなければ、学会の未来は開けないからね」

「先輩は、『なぜ、折伏をするのか』を、いろいろな角度から、納得のいくように話してあげてほしい」「弘教に限らず、あらゆる活動を進めるうえで大事なのは、"なんのためか"を明らかにし、確認し合っていくことです。それによって皆が、軌道を外れることなく前進することができるし、力を発揮することができる」


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新・人間革命 第30巻 下 / 池田大作 イケダダイサク 【本】


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