『新・人間革命』第2巻 「先駆」の章 p22


300万世帯の達成といっても どこまでも、友の救済にある。


人間は”意味に生きる動物である”。
人は“なんのため”かが明らかにならなければ、
本気になって力を注ぎこむことはできない。


それは、広宣流布の活動においても同じである。


皆が、なんのための運動か、なぜ、今、それを行うのかを、
よく納得 理解するならば、自主的に行動を開始していくものだ。


そして、そこから、さまざまな創意工夫も生まれていく。
それが“現場の知恵”である。

知恵は知識を動かす力である。



いかなる運動も、絶えず、“なんのため”かという根本目的に
立ち返ることがなければ、知らず知らずのうちに、
手段や方法が独り歩きし、本来の目的から外れてしまうものだ。


また、皆が、意義、目的を心の底から納得していないにもかかわらず、
目標の数や方法ばかりが強調されれば、
押し付けられているような思いをいだくにちがいない。


すると、皆の活動に取り組む姿勢は受け身になる。
受け身の行動には歓喜も躍動もなくなる。
それでは、いかに高邁な運動もやがては 行き詰ってしまうにちがいない。


意義、目的の理解と合意ができたならば、目標の設定である。


目標は、組織としても、個人としても、より具体的でなければならない。
目標があれば、張り合いも出るし、達成できた時の喜びも大きいものだ。


そのうえで、いかにしてそれを達成するかという、方法の検討が大切になってくる。


山本伸一は、まず、300万世帯達成の根本目的を再確認することから語り始めた。
そして、その達成の道は、座談会の充実にあることを訴えていった。


闇の彼方に暁の光が走り、朝の到来を告げるように、
広宣流布の運動にも、先駆けの光がなくてはならない。


伸一は 全国各地のなかで、関西の同志に、学会の先駆けとしての
見事な活動を期待していた。



太字は 『新・人間革命』第2巻より抜粋