『新・人間革命』第27巻 求道の章 347p~
伸一は、東北の同志が、どれほど大変な思いをしながら、地域広布の道を切り開いてきたかを、よく知っていた。御書の仰せの通りに、広宣流布を進めてきた勇者たちである。この方々を地涌の菩薩といわずして、どこに、地涌の菩薩の出現があるというのだ。どこに、仏の使いがいるというのだ。
東北の人びとは、冷害をはじめ、チリ津波など、さまざまな災害に苦しんできた。しかし、彼らは、「だからこそ、御本尊がある!」「だからこそ、地域中の人たちを元気づけるために、俺たちがいる!」「だからこそ、広宣流布に一人立つのだ!」と、そのたびに、一段と闘魂を燃え上がらせてきた。
この宝友たちが示した信仰の最大の実証とは、“蔵の財”を得て、物欲を満たすことではなかった。“心の財”をもって、真実の仏法の力を証明してきたことだ。
「岩手県は、面積も広い。旧習も深く、学会への誤解や偏見の壁も厚い地域もあるかもしれない。何かと苦労が多いことは、よくわかっています。だからといって、万が一にも、“広宣流布が進まなくても仕方がない”といった“あきらめ”の心があれば、本当の力は出ません。その一念が、根本的な敗因になっていきます。まず、“あきらめ”という“一凶”を打ち破っていくことから戦いは始まります」どの県、どの地域にも、繁栄の花を咲かせ、幸せの果実を実らせることが広宣流布である。
この宝友たちが示した信仰の最大の実証とは、“蔵の財”を得て、物欲を満たすことではなかった。“心の財”をもって、真実の仏法の力を証明してきたことだ。
「岩手県は、面積も広い。旧習も深く、学会への誤解や偏見の壁も厚い地域もあるかもしれない。何かと苦労が多いことは、よくわかっています。だからといって、万が一にも、“広宣流布が進まなくても仕方がない”といった“あきらめ”の心があれば、本当の力は出ません。その一念が、根本的な敗因になっていきます。まず、“あきらめ”という“一凶”を打ち破っていくことから戦いは始まります」どの県、どの地域にも、繁栄の花を咲かせ、幸せの果実を実らせることが広宣流布である。
“一人でも多くの人と、言葉を交わして励まそう”ーーそれが、彼の決意であった。伸一は、いかにして組織に、温かい人間の血を通わせるかに、心を砕いていた。物事を効率よく進めるために、組織では、いきおい、合理性の追求が優先される。すると、すべては画一化され、次第に、その運営も、形式化、官僚化していく。
組織が多くの人びとを擁している限り、どうしても、合理的に運営していかざるを得ない面もある。そこで大事になるのが、一人ひとりに光を当て、各人を大切にしていく実践である。つまり、個別的な一対一の信頼関係を、組織のなかにつくり上げていくのだ。
人間を、個々人を、守り、育むのが学会の組織であり、その責任を分かちもち、担うために役職がある。したがって、役職は人間の上下の関係ではない。常にその原点に立ち返り、励ましと信頼によって人と人とが結ばれていくならば、組織の形式化や官僚化という弊害を打破していくことができよう。
この日、彼が強く訴えたのは、「学会と、同志と、苦楽を共にせよ」ということであった。「苦しい時に励まし合い、苦難を乗り越え、そして、一緒に楽しみを満喫して生きるーーそこに、深く、強い人間の絆が生まれます。師弟も、師と弟子が苦楽を共にしていくなかで、金剛の絆がつくられていきます。
創価学会の同志愛、団結の強さの要因も、そこにあるんです。広宣流布の活動では、正念場となるような苦しい激戦もあります。その時に、歯を食いしばりながら、『頑張ろう!』『負けるな!』と、互いに励まし合い、勝利の旗を掲げ続けてきた同志の絆は強い。永遠の友情が培われていきます。
励まされた人にとって、最も苦しかった時に、同苦して自分を激励・指導してくれた同志の存在は、無二の友であり、終生、大恩の人となっていきます。人間にとって今生の最高最大の財産は、どれだけの人と苦労を共にして励まし、信心を奮い立たせてきたかという体験なんです。
何人もの、いや何十人、何百人もの人から『私は一緒に悩み、祈ってくれたあの人のことを、生涯忘れない』『あの人がいたから、今の私の幸せがある』と言われる人になることです。それに勝る、人間としての栄誉はありません。その人こそ、最も尊貴な人間王者です」
「なかには、自分が幹部で、子どもさんが一生懸命に信心していないことから、何か後ろめたい思いでおられる方もいるかもしれない。しかし、負けてはいけません!決して恥じることはありません。全部、深い意味があるんです。要は、子どもさんが信心に励み、幸せになれるように、強情に祈り、日々、真剣に努力し抜いていくことが大事なんです」
幹部になったとしても、人生にあっては、さまざまな困難に直面するものだ。病魔と闘い続けねばならぬこともあろう。人間が四苦八苦を免れがたい限り、“苦悩との闘争”が生きるということなのだ。大切なことは、どんな時にも、負けない、挫けない、たじろがない強さを持つことである。
組織が多くの人びとを擁している限り、どうしても、合理的に運営していかざるを得ない面もある。そこで大事になるのが、一人ひとりに光を当て、各人を大切にしていく実践である。つまり、個別的な一対一の信頼関係を、組織のなかにつくり上げていくのだ。
人間を、個々人を、守り、育むのが学会の組織であり、その責任を分かちもち、担うために役職がある。したがって、役職は人間の上下の関係ではない。常にその原点に立ち返り、励ましと信頼によって人と人とが結ばれていくならば、組織の形式化や官僚化という弊害を打破していくことができよう。
この日、彼が強く訴えたのは、「学会と、同志と、苦楽を共にせよ」ということであった。「苦しい時に励まし合い、苦難を乗り越え、そして、一緒に楽しみを満喫して生きるーーそこに、深く、強い人間の絆が生まれます。師弟も、師と弟子が苦楽を共にしていくなかで、金剛の絆がつくられていきます。
創価学会の同志愛、団結の強さの要因も、そこにあるんです。広宣流布の活動では、正念場となるような苦しい激戦もあります。その時に、歯を食いしばりながら、『頑張ろう!』『負けるな!』と、互いに励まし合い、勝利の旗を掲げ続けてきた同志の絆は強い。永遠の友情が培われていきます。
励まされた人にとって、最も苦しかった時に、同苦して自分を激励・指導してくれた同志の存在は、無二の友であり、終生、大恩の人となっていきます。人間にとって今生の最高最大の財産は、どれだけの人と苦労を共にして励まし、信心を奮い立たせてきたかという体験なんです。
何人もの、いや何十人、何百人もの人から『私は一緒に悩み、祈ってくれたあの人のことを、生涯忘れない』『あの人がいたから、今の私の幸せがある』と言われる人になることです。それに勝る、人間としての栄誉はありません。その人こそ、最も尊貴な人間王者です」
「なかには、自分が幹部で、子どもさんが一生懸命に信心していないことから、何か後ろめたい思いでおられる方もいるかもしれない。しかし、負けてはいけません!決して恥じることはありません。全部、深い意味があるんです。要は、子どもさんが信心に励み、幸せになれるように、強情に祈り、日々、真剣に努力し抜いていくことが大事なんです」
幹部になったとしても、人生にあっては、さまざまな困難に直面するものだ。病魔と闘い続けねばならぬこともあろう。人間が四苦八苦を免れがたい限り、“苦悩との闘争”が生きるということなのだ。大切なことは、どんな時にも、負けない、挫けない、たじろがない強さを持つことである。
太字は 『新・人間革命』第27巻より 抜粋