小説 新・人間革命に学ぶ

人生の 生きる 指針 「小説 新・人間革命」を 1巻から30巻まで、読了を目指し、指針を 残す

平和

王仏冥合

『新・人間革命』第3巻 平和の光の章 P306~

山本伸一は考えた。

あの戦争は終わり、はや15年余の歳月が流れようとしているが、いまだ、
世界の民衆は戦火にあえいでいる。

戦後の世界は、イデオロギーによって分断され、冷戦構造がつくられていった。

「国家中心」から「人間中心」へ、そして、「世界は一つ」と考えていくべき時が
既に来ているはずだ。

そのために必要なのは、人間の多様性を尊重し、調和と融合を図り、
人類を結び合う生命の哲学だ。

一人ひとりがエゴイズムの殻を破り、蔑視や偏見を克服して人間性の
尊き輝きを放つことだ。

つまり、人間が自己完成へと向かいゆく、人間革命が不可欠である。



山本伸一は、ビルマで戦死した長兄のことを考えるたびに
小説『ビルマの竪琴』を 思い浮かべた。

終戦を迎えながら、それを知らずに敗走する日本兵達が イギリス軍に包囲される。
日本兵は 「埴生の宿」などをうたいながら包囲を突破しようとした。

合唱が終わると 今度は 周囲から「埴生の宿」が聞こえる。
イギリス兵が 歌っていたのだ。歌は英語だが、曲は同じだ。

つぎには「庭の千草」が聞こえる。それらの曲は、
イギリスで古くから愛唱されていた歌に 日本語の歌詞をつけたものだった。

敵も味方もなく 両軍の兵士が声を合わせて歌う。
戦争は始まらなかった。

歌が人間の心と心をつなぎ、無駄な血を流さずにすんだのである。

音楽や芸術には、国家の壁はない。それは民族の固有性をもちながらも、
普遍的な共感の広がりをもっている。



「『認識しないで評価してはいけない』と牧口先生は言われた。
アジアの宗教、文化、民族について研究し、正しく認識っしていくことが、
アジアを理解していくうえでも 大切だ。」と考えた山本伸一。

さらに、法華経を中心に研究を重ね、仏法の人間主義、平和主義を
世界に展開していける人材を育む必要がある。
それらをふまえ、東洋の哲学、文化、民族の研究機関を設立していこうと
構想を話す。

もう一つの構想は、人間と人間の交流による相互理解のために、
芸術、文化の交流が必要であり、音楽など、芸術の交流推進運動である。

世界中の音楽や舞踏を、クラシックから現代のものまで紹介していく。
民衆が古今東西の音楽、芸術に触れるとともに、人間の心を結ぶ運動を
起こしていこうと考えていた。

p318より
『王仏冥合』と言いますが、この平和と文化への貢献が『王法』です。
したがって『王法』には、芸術、教育、政治、経済などあらゆる社会の営みが含まれます。
その文化創造の大地となる、民衆の声明を耕していくのが『仏法』なんです。

『冥合』というのは、根底とする、奥深く合一しているということであり、
決して制度的に一体化することではない。

結論すれば、本来、仏法者の宗教的使命は、人間としての社会的使命を
成し遂げていくことで完結される。それができてこそ、生きた宗教です。




太字は 『新・人間革命』第3巻より抜粋

世界宗教

『新・人間革命』 旭日の章 P16 より

日蓮仏法は ・・・
人間を拘束する、すべての鉄鎖を解き放つ方途を示している。


まさに、人間の 「尊厳」と「平等」と「自由」を打ち立てた、
この日蓮大聖人の仏法こそ、
二十一世紀の未来を照らし、
世界に普遍なる幸の大光を放つ、
全人類の平和のための世界宗教にほかならない。


しかし、これまで、その大聖人の仏法が海を渡り、
世界に弘まることはなかったといってよい。



この、山本伸一の海外訪問は、苦悩する世界の民衆にヒューマニズムの光を注ぎ、
人類の蘇生の歴史を創造する、今日のSGI運動の突破口を開くことになる。
それは、仏教史を画する新たな時代の幕開けにほかならなかった。



しかも、奇しくもこの年は、日蓮大聖人が、「立正安国論」を認められ、
恒久平和への光の矢を放たれてから、ちょうど七百年にあたっていた。
不思議なる時の一致といってよい。



日蓮仏法は 全人類の平和のための
世界宗教である!!!



今、山本伸一は 、その大業の 扉を自らの手で
開いたのだ。


世界広布の第一ページを開いた ハワイ訪問は、
わずか三十数時間の滞在にすぎなかったが、
ここに 
人類の歴史に新しい夜明けを告げる、
平和の『旭日』は 昇ったのである。


旭日の章終わり



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