『新・人間革命』第19巻 陽光の章 222P~
伸一に、自らの生命を注ぎ込むようにして、仏法を、さらに万般の学問を教えてくれたのは、戸田であった。戸田は、よく伸一に語っていた。「仏法の生命尊厳の法理と慈悲の精神が、創価の思想が、人類救済の大哲理であることを、世界に知らしめていかなければならない。それには、大学が大事だ。世界の大学が仏法哲理の重要、仏性を知り、研究に取り組むようになれば、そこから新しい思想潮流が起こる」
伸一は同行の幹部に言った。「これからも、仏法を社会に開いていくために、さらに大学講演を行っていこう。また、いつかハーバード大学などでも、講演することになるだろう」この時、それが現実となるとは誰も想像しなかった。しかし、後年、山本伸一は、モスクワ大学、北京大学、フランス学士院、ハーバード大学など、世界の知性の府で、次々と講演を行うことになる。
4月2日、伸一はサンタモニカのアメリカ本部で、恩師・戸田城聖の17回忌法要を挙行した。仏法の根本は師弟にある。「師弟の道」がわかれば、自身の人間革命も一生成仏も間違いない。また、広宣流布の永遠不滅の道も開かれる。
彼は、恩師への思いを静かに語っていった。「私はいつ、どこの地にあっても、戸田先生のご指導が、あの獅子吼の姿が、瞬時も脳裏から離れたことはありません。常に、"先生が今の私をご覧になったら、なんと言われるか""先生ならば、どうされるか"と自分に問い続け、師の遺志を受け継いで広宣流布に邁進してまいりました」
彼は、「師」とは「人生の規範」であり、「広布の道」とは「師弟の道」であることを伝えようとしていたのである。「戸田先生を知らない皆さんは、先生のことを、もっと、もっと、知りたいと思われていることでありましょう。しかし、先生と何度もお会いし、指導、激励を受けながら、広宣流布のために本気になって戦おうともせず、退転していった人もおります。」
「先生を知るとは、先生の信心を学び、実践することです。その人の心にこそ、戸田先生がいらっしゃるんです。この4月2日を人生と信仰と広布への意義ある跳躍の日と定めて、前進していくことを誓い合おうではありませんか!」
師の心をわが心として広布の庭で戦う人は、常に師と共にある。戸田城聖の大きな偉業の一つは、難解な仏法の法理を、わかりやすく現代的に解釈し、展開したことにある。信仰の目的である「仏の境涯」に至ることを、「人間革命」と表現した。
私たちが信心に励む目的は、この人間革命にこそあるのだ。伸一は、青年たちに、日蓮仏法は人間革命の宗教であることを知ってほしかった。その人間革命のための指標を、具体的に示しておこうと思った。 伸一は、「健康」「青春」「福運」「知性」「情熱」「信念」「勝利」の7項目を人間革命の指標として示したあと、さらに、これらを包括し、仏法者の規範として確立されなければならないものこそ、「慈悲」であると訴えた。
「私たち凡夫の場合は、勇気をもって行動することが慈悲に変わるのである」と力説。そして、慈悲と勇気の実践である広宣流布に生き抜くことの大切さ、尊さを訴えたのである。
4日、アメリカの創価学会が主催する「サンディエゴ・コンベンション」に出席するために、サンディエゴ市に向かった。
斉木がサンパウロ州のオザスコ市から、伸一に贈られた銀製プレートを届けに駆けつけて来た。斉木が青年を育成するためのポイントは何かと伸一に尋ねた。伸一は、「未来の指導者に仕えるような気持ちで、青年に接していくことです。」
「そのうえで、基本をしっかり身につけられるようにしていくことが大事になる。連絡や報告に始まり、勤行、折伏、教学、家庭指導など、特に信心の基本が習得できるよう応援することです。また、訓練も大切です。訓練というのは、物事を体で覚えて、体得していくためのものです。それができていないと、頭ではわかっていても、いざという時に的確な対応ができない。さらに、新しき挑戦こそ、青年の生命です。青年の挑戦を最大に讃え、見守っていくことが必要だと思う」
伸一に、自らの生命を注ぎ込むようにして、仏法を、さらに万般の学問を教えてくれたのは、戸田であった。戸田は、よく伸一に語っていた。「仏法の生命尊厳の法理と慈悲の精神が、創価の思想が、人類救済の大哲理であることを、世界に知らしめていかなければならない。それには、大学が大事だ。世界の大学が仏法哲理の重要、仏性を知り、研究に取り組むようになれば、そこから新しい思想潮流が起こる」
伸一は同行の幹部に言った。「これからも、仏法を社会に開いていくために、さらに大学講演を行っていこう。また、いつかハーバード大学などでも、講演することになるだろう」この時、それが現実となるとは誰も想像しなかった。しかし、後年、山本伸一は、モスクワ大学、北京大学、フランス学士院、ハーバード大学など、世界の知性の府で、次々と講演を行うことになる。
4月2日、伸一はサンタモニカのアメリカ本部で、恩師・戸田城聖の17回忌法要を挙行した。仏法の根本は師弟にある。「師弟の道」がわかれば、自身の人間革命も一生成仏も間違いない。また、広宣流布の永遠不滅の道も開かれる。
彼は、恩師への思いを静かに語っていった。「私はいつ、どこの地にあっても、戸田先生のご指導が、あの獅子吼の姿が、瞬時も脳裏から離れたことはありません。常に、"先生が今の私をご覧になったら、なんと言われるか""先生ならば、どうされるか"と自分に問い続け、師の遺志を受け継いで広宣流布に邁進してまいりました」
彼は、「師」とは「人生の規範」であり、「広布の道」とは「師弟の道」であることを伝えようとしていたのである。「戸田先生を知らない皆さんは、先生のことを、もっと、もっと、知りたいと思われていることでありましょう。しかし、先生と何度もお会いし、指導、激励を受けながら、広宣流布のために本気になって戦おうともせず、退転していった人もおります。」
「先生を知るとは、先生の信心を学び、実践することです。その人の心にこそ、戸田先生がいらっしゃるんです。この4月2日を人生と信仰と広布への意義ある跳躍の日と定めて、前進していくことを誓い合おうではありませんか!」
師の心をわが心として広布の庭で戦う人は、常に師と共にある。戸田城聖の大きな偉業の一つは、難解な仏法の法理を、わかりやすく現代的に解釈し、展開したことにある。信仰の目的である「仏の境涯」に至ることを、「人間革命」と表現した。
私たちが信心に励む目的は、この人間革命にこそあるのだ。伸一は、青年たちに、日蓮仏法は人間革命の宗教であることを知ってほしかった。その人間革命のための指標を、具体的に示しておこうと思った。 伸一は、「健康」「青春」「福運」「知性」「情熱」「信念」「勝利」の7項目を人間革命の指標として示したあと、さらに、これらを包括し、仏法者の規範として確立されなければならないものこそ、「慈悲」であると訴えた。
「私たち凡夫の場合は、勇気をもって行動することが慈悲に変わるのである」と力説。そして、慈悲と勇気の実践である広宣流布に生き抜くことの大切さ、尊さを訴えたのである。
4日、アメリカの創価学会が主催する「サンディエゴ・コンベンション」に出席するために、サンディエゴ市に向かった。
斉木がサンパウロ州のオザスコ市から、伸一に贈られた銀製プレートを届けに駆けつけて来た。斉木が青年を育成するためのポイントは何かと伸一に尋ねた。伸一は、「未来の指導者に仕えるような気持ちで、青年に接していくことです。」
「そのうえで、基本をしっかり身につけられるようにしていくことが大事になる。連絡や報告に始まり、勤行、折伏、教学、家庭指導など、特に信心の基本が習得できるよう応援することです。また、訓練も大切です。訓練というのは、物事を体で覚えて、体得していくためのものです。それができていないと、頭ではわかっていても、いざという時に的確な対応ができない。さらに、新しき挑戦こそ、青年の生命です。青年の挑戦を最大に讃え、見守っていくことが必要だと思う」
太字は 『新・人間革命』第19巻より 抜粋