『新・人間革命』第7巻 早春の章 P267~
強風で出発が遅れ、ニューデリーで1泊するはずが、泊まらず、そのまま次の訪問地香港へ向かった。
経由地のタイのバンコク空港では、タイのメンバーが ロビーで待っていたが、わずか15分の滞在時間しかなかった。
バンコク支部婦人部長のアン・ミヤコ・ライズから「警察に呼ばれて、学会のことを聞かれた」と伸一に報告した。警察は、学会のことを危険な団体だとおもっているようで、会員を増やしたり、会合を開いたりすることは、やめるように言われたと話すライズ。
伸一は、歴史的な経緯や国情から、宗教ーーことに外国から入ってきた宗教に強い警戒心をいだいている国も少なくないだけに、誤解から生ずる無用な摩擦は、絶対に避けなければならないと考えていた。
そうなれば、結局は、会員が苦しむことになるからである。
そのために、彼は、海外での活動は、慎重のうえにも、慎重を期していく必要性を感じていた。しかし、世界広布のうねりが起こり始めた今、仏法の法理に照らすならば、各国の組織が試練の大波を受けることも、当然、覚悟しなければならなかった。
現に、学会の大前進に恐れをなした、日本国内の他教団や政党の関係者が、各国の政府機関などに、さまざまな画策を行っているとの情報を耳にしていた。
その一つが、伸一が二年前の会合で、"国連は、中華人民共和国を認めてもよいのではないか"と語ったことなどを取り上げ、学会は共産主義を支持する危険な団体であるという喧伝であった。
だが、いかなる中傷がなされようが、日頃から常識豊かな行動を心がけ、社会の信頼を勝ち取っていれば、やがて、必ず真実は明らかになるはずである。伸一は、アン・ミヤコ・ライズを激励したあと、諸外国での活動の在り方について、思索をめぐらしていった。
海外で学会が誤解されるとしたら、どこに原因があるのだろうか。
まず、創価学会という耳慣れぬ名前から、新奇で不可解な宗教という印象をもってしまうこともあるのかもしれない。わからないということは、警戒心をいだかせるものだ。
学会は、日蓮大聖人の仏法の教えを根本とする仏教徒の団体であり、その大聖人の教えは、釈尊の仏法の精髄であることを、明らかにしていく必要があろう。
つまり、二千数百年の伝統をもつ仏法を、現代に開花させ、世界の平和と人びとの幸福を願い、その国の発展と文化の交流に貢献し、価値の創造をめざしているのが、創価学会であることを語っていかなくてはならない。
学会を、政界進出を目的とした宗教団体であると思い込むケースもあるのかもしれない。
各国のメンバーが政治に巻き込まれていくようなことになれば、それぞれの国で宗教活動を展開していくうえで、大きなマイナスになる。
しかも、日本の他教団や既成政党が、学会と政治の関係をことさらに強調し、諸外国での学会への警戒心を煽り立てていることを思うと、海外では政治にかかわる意思はないことを、明言していくべきであろう。
さらに、学会は、決して日本人のためだけの宗教ではなく、全人類のための世界宗教であることを、認識させる努力が大切である。そのためには、各国の組織がそれぞれ法人として登録し、その国の実情を踏まえて、独自の活動を推進していくことが、これからはますます重要になろう。
ともあれ、メンバーを守るためにも、自分が各国の指導者と会い、学会の真実を訴え抜いていこうと、伸一は思った。
強風で出発が遅れ、ニューデリーで1泊するはずが、泊まらず、そのまま次の訪問地香港へ向かった。
経由地のタイのバンコク空港では、タイのメンバーが ロビーで待っていたが、わずか15分の滞在時間しかなかった。
バンコク支部婦人部長のアン・ミヤコ・ライズから「警察に呼ばれて、学会のことを聞かれた」と伸一に報告した。警察は、学会のことを危険な団体だとおもっているようで、会員を増やしたり、会合を開いたりすることは、やめるように言われたと話すライズ。
伸一は、歴史的な経緯や国情から、宗教ーーことに外国から入ってきた宗教に強い警戒心をいだいている国も少なくないだけに、誤解から生ずる無用な摩擦は、絶対に避けなければならないと考えていた。
そうなれば、結局は、会員が苦しむことになるからである。
そのために、彼は、海外での活動は、慎重のうえにも、慎重を期していく必要性を感じていた。しかし、世界広布のうねりが起こり始めた今、仏法の法理に照らすならば、各国の組織が試練の大波を受けることも、当然、覚悟しなければならなかった。
現に、学会の大前進に恐れをなした、日本国内の他教団や政党の関係者が、各国の政府機関などに、さまざまな画策を行っているとの情報を耳にしていた。
その一つが、伸一が二年前の会合で、"国連は、中華人民共和国を認めてもよいのではないか"と語ったことなどを取り上げ、学会は共産主義を支持する危険な団体であるという喧伝であった。
だが、いかなる中傷がなされようが、日頃から常識豊かな行動を心がけ、社会の信頼を勝ち取っていれば、やがて、必ず真実は明らかになるはずである。伸一は、アン・ミヤコ・ライズを激励したあと、諸外国での活動の在り方について、思索をめぐらしていった。
海外で学会が誤解されるとしたら、どこに原因があるのだろうか。
まず、創価学会という耳慣れぬ名前から、新奇で不可解な宗教という印象をもってしまうこともあるのかもしれない。わからないということは、警戒心をいだかせるものだ。
学会は、日蓮大聖人の仏法の教えを根本とする仏教徒の団体であり、その大聖人の教えは、釈尊の仏法の精髄であることを、明らかにしていく必要があろう。
つまり、二千数百年の伝統をもつ仏法を、現代に開花させ、世界の平和と人びとの幸福を願い、その国の発展と文化の交流に貢献し、価値の創造をめざしているのが、創価学会であることを語っていかなくてはならない。
学会を、政界進出を目的とした宗教団体であると思い込むケースもあるのかもしれない。
各国のメンバーが政治に巻き込まれていくようなことになれば、それぞれの国で宗教活動を展開していくうえで、大きなマイナスになる。
しかも、日本の他教団や既成政党が、学会と政治の関係をことさらに強調し、諸外国での学会への警戒心を煽り立てていることを思うと、海外では政治にかかわる意思はないことを、明言していくべきであろう。
さらに、学会は、決して日本人のためだけの宗教ではなく、全人類のための世界宗教であることを、認識させる努力が大切である。そのためには、各国の組織がそれぞれ法人として登録し、その国の実情を踏まえて、独自の活動を推進していくことが、これからはますます重要になろう。
ともあれ、メンバーを守るためにも、自分が各国の指導者と会い、学会の真実を訴え抜いていこうと、伸一は思った。
太字は 『新・人間革命』第7巻より