『新・人間革命』第4巻 大光の章 P313~
山本伸一は、日本を出発してから、ほとんど休んでいなかった。
川崎は、医師として、伸一の体を心配していた。そんな川崎に伸一は言った。
「同志のため、広宣流布のために生きるのが、私の使命なんです。そして、使命を果たすとは、命を使うと言うことだ。その決意がなければ、学会のリーダーにはなれません。」
その言葉は、川崎にとっては、少なからず衝撃的であった。
彼は、伸一を学会の会長として尊敬はしていたが、信仰歴も浅く、学会の精神もよくわからなかったし、同志を思う伸一の深い心も知らなかった。
川崎は、医師として人のために献身することの意味や喜びは知っていた。しかし、本当に、人びとのことを考えて、医学に取り組んできたかというと、むしろ、自分の学問的な興味の方が優先していたように思えるのである。
彼は、伸一の姿を目にして、自分が恥ずかしく感じられてならなかった。
仕事が多忙で会合に参加できないと話す壮年部に伸一は、激励する。
「いいんだよ。仕事が大変なことはわかっている。ただ、心は、一歩たりとも信心から離れないことだ。また、こうして、少しでも時間があれば、私にぶつかって来る。あるいは、先輩にぶつかっていくということが大事なんだよ」
「私も、なすべき課題は山ほどあるが、時間が限られている。そこで、心がけていることは、一瞬たりとも時間を無駄にしないということだ」
「人生は長いようで短い。ましてや、青年時代は、あっという間に過ぎていってしまう。」
「時は『今』だよ。50年後になって、さあ戦うぞといっても、たいした働きはできないではないか。
大聖人も『一生空しく過ごして万歳悔ゆること勿れ』と仰せになっている。」
「君らしく、すべてを工夫しながら、君でなければできない戦いを開始していくことだよ。その中で自分自身も鍛えられ、人間として大成していくことができるし、永遠の福運を積んでいくことにもなる」
と発心を促した。
伸一は、九州の婦人部幹部で 亡くなられた柴山美代子さんが、生前に『私の夢は、ヨーロッパに仏法を広めに行くことです』と語っていたことを忘れず、残された子どもさんたちにお母さんが行きたがっていたヨーロッパのお土産を 渡してあげたいと 絵皿を買い求めた。
「皆、ともすれば、亡くなった人のことは忘れてしまう。しかし、私は一緒に戦い、苦労を分かち合ってくれた同志のことを、決して忘れるわけにはいかないんだ。」
「私は、そうした家族を生涯、見守っていきたいと思っている。いつも、いつも、幸せを祈っている。本当の真心の世界、人間の世界が学会だもの・・・」
「尊い、大切な同志だもの・・・。広宣流布に生きる私たちは、三世まで、一緒です。生死を超えた、永遠の同志であり、また、妙法で結ばれた、永遠の家族です。学会の団結は、その心のうえに成り立っているからこそ強いんです。現代の社会で、本当に人間と人間の心を結びつけていけるのは、学会だけでしょう。」と話した。
太字は 『新・人間革命』第4巻より抜粋
山本伸一は、日本を出発してから、ほとんど休んでいなかった。
川崎は、医師として、伸一の体を心配していた。そんな川崎に伸一は言った。
「同志のため、広宣流布のために生きるのが、私の使命なんです。そして、使命を果たすとは、命を使うと言うことだ。その決意がなければ、学会のリーダーにはなれません。」
その言葉は、川崎にとっては、少なからず衝撃的であった。
彼は、伸一を学会の会長として尊敬はしていたが、信仰歴も浅く、学会の精神もよくわからなかったし、同志を思う伸一の深い心も知らなかった。
川崎は、医師として人のために献身することの意味や喜びは知っていた。しかし、本当に、人びとのことを考えて、医学に取り組んできたかというと、むしろ、自分の学問的な興味の方が優先していたように思えるのである。
彼は、伸一の姿を目にして、自分が恥ずかしく感じられてならなかった。
仕事が多忙で会合に参加できないと話す壮年部に伸一は、激励する。
「いいんだよ。仕事が大変なことはわかっている。ただ、心は、一歩たりとも信心から離れないことだ。また、こうして、少しでも時間があれば、私にぶつかって来る。あるいは、先輩にぶつかっていくということが大事なんだよ」
「私も、なすべき課題は山ほどあるが、時間が限られている。そこで、心がけていることは、一瞬たりとも時間を無駄にしないということだ」
「人生は長いようで短い。ましてや、青年時代は、あっという間に過ぎていってしまう。」
「時は『今』だよ。50年後になって、さあ戦うぞといっても、たいした働きはできないではないか。
大聖人も『一生空しく過ごして万歳悔ゆること勿れ』と仰せになっている。」
「君らしく、すべてを工夫しながら、君でなければできない戦いを開始していくことだよ。その中で自分自身も鍛えられ、人間として大成していくことができるし、永遠の福運を積んでいくことにもなる」
と発心を促した。
伸一は、九州の婦人部幹部で 亡くなられた柴山美代子さんが、生前に『私の夢は、ヨーロッパに仏法を広めに行くことです』と語っていたことを忘れず、残された子どもさんたちにお母さんが行きたがっていたヨーロッパのお土産を 渡してあげたいと 絵皿を買い求めた。
「皆、ともすれば、亡くなった人のことは忘れてしまう。しかし、私は一緒に戦い、苦労を分かち合ってくれた同志のことを、決して忘れるわけにはいかないんだ。」
「私は、そうした家族を生涯、見守っていきたいと思っている。いつも、いつも、幸せを祈っている。本当の真心の世界、人間の世界が学会だもの・・・」
「尊い、大切な同志だもの・・・。広宣流布に生きる私たちは、三世まで、一緒です。生死を超えた、永遠の同志であり、また、妙法で結ばれた、永遠の家族です。学会の団結は、その心のうえに成り立っているからこそ強いんです。現代の社会で、本当に人間と人間の心を結びつけていけるのは、学会だけでしょう。」と話した。
太字は 『新・人間革命』第4巻より抜粋