『新・人間革命』第5巻 開道の章 P30~
オランダでの仕事を終え、フランスのパリに到着した伸一一行は、
翌日の10月12日凱旋門を通った。
弘安2年10月12日は 日蓮大聖人が 大御本尊を建立された日である。
大御本尊建立の日を 「仏国(フランス)」で迎えたことに不思議を感じる一行。
凱旋門は ナポレオンが造るよう命じたが、門ができる前にセントヘレナ島に流され亡くなっている。
伸一は「日蓮仏法を弘める私たちの戦いは、絶対に負けるわけにはいかない。なぜなら、
永遠の平和の道が、民衆の永遠の幸福の道が断たれてしまうからだ。」と決意を込めて語った。
同行のメンバーに、フランスの ド・ゴール大統領の 戦いを語る。
「パリが陥落し、フランス政府がドイツ軍に降伏した時も、決して屈しなかった。
たった一人になっても、祖国のために戦おうと、イギリスにわたり、そこから『自由フランス』の旗を掲げて、戦いを起こした。そして、再び、パリに戻って来たのだ」
フランスの三色旗に代わって、ナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)の旗が翻り、ドイツ軍の軍靴の音が、凱旋門にこだました。
パリが陥落し、フランス軍指導者は 敗北と休戦を告げるラジオ放送を行った。
しかし、その直後、ドーバー海峡を隔てたロンドンから、ラジオ電波に乗って、まだ、戦いは終わっていない、と断固たる抵抗を呼びかける声が流れた。
声の主は、フランス軍の将軍ド・ゴールであった。全フランス的には、無名の軍人に過ぎなかったが、『自由フランス』政権をつくり、ドイツ軍と徹底抗戦しようとしていた。
その声は、妨害電波網をくぐり抜けて聞こえてくるかすかな声であった。
だが、それが、ドイツの支配下に置かれた暗黒の時代のなかで、勇気を呼び覚ます“希望の声”となっていったのである。
パリに凱旋したド・ゴールは、まず凱旋門にやって来た。
何発かの銃声が鳴り響いたが、彼は、何事もなかったかのように悠然としていた。
ド・ゴールについては、さまざまな評価がある。しかし、伸一は、困難を跳ね返す人間としての強さに、共感していたのである。
「逆境のなかで、勝利の道を開くものは、指導者の強気一念だ。そして、勇気ある行動だ。
それが、一つの小さな火が燎原の火となって広がるように、人びとの心に波動し、
事態を好転させていく。」
「では、ド・ゴールの強気一念の源泉とは何か。それは『私自身がフランスである』との自覚です。
我々の立場でいえば『私自身が創価学会である』との自覚ということになる。」
「人を頼むのではなく、“自分が主体者であり、責任者だ。自分が負ければ、みんなを不幸にしてしまうのだ”という思いが人間を強くする。 私たちも、どんな苦戦を強いられようが、必ず勝って、広布の凱旋門をくぐろうよ」
その言葉は、同行の青年たちの心に強く響いた。
太字は 『新・人間革命』第5巻より抜粋
オランダでの仕事を終え、フランスのパリに到着した伸一一行は、
翌日の10月12日凱旋門を通った。
弘安2年10月12日は 日蓮大聖人が 大御本尊を建立された日である。
大御本尊建立の日を 「仏国(フランス)」で迎えたことに不思議を感じる一行。
凱旋門は ナポレオンが造るよう命じたが、門ができる前にセントヘレナ島に流され亡くなっている。
伸一は「日蓮仏法を弘める私たちの戦いは、絶対に負けるわけにはいかない。なぜなら、
永遠の平和の道が、民衆の永遠の幸福の道が断たれてしまうからだ。」と決意を込めて語った。
同行のメンバーに、フランスの ド・ゴール大統領の 戦いを語る。
「パリが陥落し、フランス政府がドイツ軍に降伏した時も、決して屈しなかった。
たった一人になっても、祖国のために戦おうと、イギリスにわたり、そこから『自由フランス』の旗を掲げて、戦いを起こした。そして、再び、パリに戻って来たのだ」
フランスの三色旗に代わって、ナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)の旗が翻り、ドイツ軍の軍靴の音が、凱旋門にこだました。
パリが陥落し、フランス軍指導者は 敗北と休戦を告げるラジオ放送を行った。
しかし、その直後、ドーバー海峡を隔てたロンドンから、ラジオ電波に乗って、まだ、戦いは終わっていない、と断固たる抵抗を呼びかける声が流れた。
声の主は、フランス軍の将軍ド・ゴールであった。全フランス的には、無名の軍人に過ぎなかったが、『自由フランス』政権をつくり、ドイツ軍と徹底抗戦しようとしていた。
その声は、妨害電波網をくぐり抜けて聞こえてくるかすかな声であった。
だが、それが、ドイツの支配下に置かれた暗黒の時代のなかで、勇気を呼び覚ます“希望の声”となっていったのである。
パリに凱旋したド・ゴールは、まず凱旋門にやって来た。
何発かの銃声が鳴り響いたが、彼は、何事もなかったかのように悠然としていた。
ド・ゴールについては、さまざまな評価がある。しかし、伸一は、困難を跳ね返す人間としての強さに、共感していたのである。
「逆境のなかで、勝利の道を開くものは、指導者の強気一念だ。そして、勇気ある行動だ。
それが、一つの小さな火が燎原の火となって広がるように、人びとの心に波動し、
事態を好転させていく。」
「では、ド・ゴールの強気一念の源泉とは何か。それは『私自身がフランスである』との自覚です。
我々の立場でいえば『私自身が創価学会である』との自覚ということになる。」
「人を頼むのではなく、“自分が主体者であり、責任者だ。自分が負ければ、みんなを不幸にしてしまうのだ”という思いが人間を強くする。 私たちも、どんな苦戦を強いられようが、必ず勝って、広布の凱旋門をくぐろうよ」
その言葉は、同行の青年たちの心に強く響いた。
太字は 『新・人間革命』第5巻より抜粋