『新・人間革命』第2巻 民衆の旗 p308~


創価学会では、体験発表が必ず行われる。


九州の幹部会で体験発表をした婦人は貧しく 学校にも通えず、字も読めない人だった。
夫はうつ病で、仕事ができない時期が10年以上もあり、彼女は5人の子どもを育てるために、
働いたが、食べる米にも事欠くありさまだった。死をも考えた時、創価学会に入会する。

純粋に真剣に勤行・唱題に励み 嘲りの言葉をかけられながらも折伏に励む。
それから、3年。夫のうつ病も克服し、始めた家具店も借金を返すことができるほどになる。


素朴だが、切々と心情が伝わってくる、感動的な体験発表となった。


体験発表とは見方によっては、自分の過去の恥を暴露することともいえる。
しかし、その体験談が学会の随所で、喜々として語られているのは、
それに勝る苦悩を克服した喜びがあるからだ。


そして、同じように苦悩を抱えている人々に対して、早く幸せになってほしいという、
慈愛の発露にほかならない。さらに、どんなに自分の過去をさらけ出しても、
それによって、蔑まれたり、差別されることはないという信頼の絆があってこそ、
成り立つものといえよう。



ともあれ、無名の民衆が織り成す人生の凱歌の姿のなかにこそ、
日蓮仏法の偉大なる法理の証明があり、創価学会の実像がある。



読み書きさえできなかった、体験発表をした婦人は、勉強の必要性を痛感し、
懸命に学習に励み、やがて、教学部の教授になった。
夫妻で車の免許もとり、友の激励に奔走し、多数の人材を育んでいった。


「信仰の道」「幸福の道」の勝者の要件とは、学歴でも、地位でも、肩書でもない。
“純真”“素直”に徹して、自ら、法のため、広布のため、人びとの幸福のために働く、
不惜身命の行動にこそあることを忘れてはならない。




太字は 『新・人間革命』第2巻より抜粋