『新・人間革命』第11巻 暁光の章 P7~

『新・人間革命』第11巻 スタート

第11巻の 連載期間は、2000年(平成12年)5月から 年末までの、20世紀最後の時に当る。

「20世紀は戦争の世紀」であった。ベトナム戦争が、1968年には、泥抜の様相を示し、ベトナム戦争の詳細を「常勝の章」でつづられている。

21世紀を平和の世紀にするため、米大統領に「平和への提言の書」であり、「平和への誓願の書」であり、「諫言」の書簡を送ったことも書かれている。今、再び戦争を起こさないために 根本的な平和への道、私たちが何を成すべきかが、具体的に 書かれている。是非、多くの人たちに 再度読んでもらいたい。

<暁光の章 開始>

1966年3月10日、山本伸一は5年ぶりに、南米ブラジルを訪問した。伸一は、発熱し、朦朧とした意識であったが、頭の芯だけが、妙に冴えていた。初めてブラジルを訪問した時も体調を崩していたと思いだされた。

5年前、伸一が精魂を込めて、広布の源流を切り開いたブラジルも、会員約8千世帯に発展し、3月13日には、サンパウロ市内で、大々的に文化祭を開催することになったのである。

リオデジャネイロに到着すると先にブラジル入りしていた幹部から、学会を取り巻くブラジル社会の状況が、非常に険悪になっているとの報告が入る。創価学会は、宗教を偽装した政治団体であり、今回の訪問は、ブラジルで政党を結成する準備のためで、学会は、社会転覆をもたらす危険な団体という認識だと言うことだった。

なぜ、そんなことになったのかと尋ねると、20年ほど前に、アメリカの有名雑誌が書いた、偏見だらけの学会の特集記事を 真に受け、ブラジルのマスコミも、同じようなことを書き立て、政府や警察もそれを信じている。また、ブラジル社会に入っている日本の既成仏教や宗教関係者のなかに、学会に敵意を抱いている日系人有力者が多く、彼らが政府や警察とつながって 学会は危険だと吹聴しているとのことだった。

また、ブラジルでは政変があり、軍政が敷かれ、ブランコ大統領は、独裁制を強め、創価学会は、世界征服を狙うなどといった突飛な報道や偽りの情報にも過敏に反応し、警戒を強めていたようだった。

山本伸一は、報告を聞くと、「ブラジルも大発展し、広宣流布の大海原に船出したから、風も強くなり、波も高くなったんだ。まさに、御書に、『行解既に勤めぬれば三障・四魔・紛然として競い起こる』と仰せの通りじゃないか。ブラジルの信心が本物になったから、起こるべくして起こった障害といえる」と言った。

「だから、何があっても決して恐れたり、臆病になってはならない。学会の真実がわかれば、国家も、社会も、学会を高く評価し、称賛することは間違いない。ブラジルに、本当の繁栄と幸福をもたらしていけるのは、仏法しかないんだから」

「いよいよ、これからが戦いだ。嵐を突いて進もう。真剣な唱題と、聡明な知恵と、必死の行動で、新しい局面を開いていくんだ」


それから、伸一は、力強い声で言った。「さあ、行動開始だ!今の一分、一秒は、何か月にも何年にも相当する。」と言って 文化祭の練習に励んでいるメンバーに、激励のメッセージを送ることにした。

この日、ブラジルのある著名なジャーナリストが、インタビューをしたいとホテルにやって来た。以前、学会を批判するリポートを、ブラジルの雑誌に発表したが、その内容には多くの誤りがあった。

伸一は、学会への偏見と誤解を正すために、会って話すことにした。「学会への不安や、無用な警戒心を失くし、信頼を生むためにも、積極的に人と会っていくことだ。」と話す。

通訳を通してのインタビューが 始まった。


太字は 『新・人間革命』第11巻より 抜粋