『新・人間革命』第25巻 人材城の章 378p~
五木の同志の報告を聞いた山本伸一は語った。「五木に伝わる子守歌の守子のような境遇の子どもたちを、なんとしても幸せにしたいというのが、牧口先生の思いであり、創価教育の原点です。また、それが学会の心です。断じて不幸をなくそうという、牧口先生の、この心を知ってほしいんです。
五木の皆さんには、こうお伝えください。『やがて、村の多くの集落が湖底に沈んでしまう日が
来るにせよ、一日一日、力の限り、広宣流布に走り続けてください。地域の人びとの胸に、妙法の種子を植え続けてください。集落は湖底に消えても、妙法の種子は、人びとの心に幸せの花を咲かせ続けていきます』」伸一は、五木の同志に句を贈った。
妻を癌で亡くしたという男子部の本部長に、「順風満帆の人生は、ほとんどありません。皆、多かれ少なかれ、なんらかの試練に直面しながら、生きているものなんです。何もない人生であれば、ささいな障害にも不幸を感じ、打ちひしがれてしまう。人間が弱くなります。鍛えられません。君のように、若くして最愛の奥さんを亡くしたという人は、強くなります。また、人の苦しみがわかる人になれます。したがって、誰よりも慈愛にあふれたリーダーに育つことができるんです」
「試練は、自分を磨き、強くしていくための財産だ。心から、僧捉えていくことができれば、大成長できる。しかし、悲しみに負けて、感傷的になれば、足を踏み外し、自堕落になってしまうこともあり得る。今が、人生の正念場だよ。
君は、一人じゃないんだ。学会があるじゃないか。同志がいるじゃないか!みんなとスクラムを組んで、強く生きるんだよ。奥さんは、君の胸の中にいる。奥さんの分まで信心に励み、奥さんの分まで幸せになっていくんだ。成長を待っているよ。」強い響きの温かい声であった。
乃木は、医師としての人間革命、境涯革命の重要性を痛感し、学会には、確固たる人生哲学があり、人間性豊かな触れ合いがあり、学会の組織は、人格形成の鍛錬の場であることを感じた。ある時、高校時代のクラスメートに「お前変わったな。今まで、自分のテストの点数しか考えない、エゴイストだと思っていたんだよ」と言われ、気づかぬうちに自らの人格を磨き、人間革命の大道を歩み始めていたのだ。友人の話で、それを知った彼の驚きは大きかった。
県長の柳節夫は思った。"先生は、一人ひとりの話に耳を傾け、真剣勝負で激励され続けてきた。懸命に、人材を見つけ、育てようとされているんだ。この励ましこそ、創価学会の生命線なんだ。私は、同志への地道な激励、指導とは、かけ離れたどこかに、広宣流布の大闘争があるように思っていた。しかし、それは、違う。ただ、ただ、眼前の一人に、全力を、魂魄を、熱誠を注いで、励ますことだった。その一人が希望に燃え、勇気をもって立ち上がることから、一家和楽も、地域広布も、世界平和も可能となる。広宣流布の直道は、一対一の対話、励ましにこそあるんだ!"
伸一は言った。「人材というと、表に立って指揮を執る人のように考えてしまいがちだが、裏で黙々と頑張る人も大切なんです。いや、そうした人を、見つけ、育てなければ、難攻不落の創価城は築けません。幹部は、同志の献身に、鋭く反応していくことです。
熊本文化会館の周辺には、朝から大勢の学会員が待機していた。山本伸一に一目会いたいと、熊本県の各地から来た人たちである。伸一は、来られている方々のために、勤行会を開いた。朗々たる伸一の読経が響き、皆の声が一つになった。
伸一は、祈った。ひたぶるに祈った。"立ち上がれ!わが獅子よ!君も、君も、あなたも、あなたも、新しい戦いの幕を開くのだ。困難を恐れるな!波浪に屈するな!私と共に、力の限り、生命の限り、広宣流布の使命に生きよう。そこに人生の勝利と幸福の大道があるからだ"
<人材城 終了>
<第25巻 終了>
太字は 『新・人間革命』第25巻より 抜粋
五木の同志の報告を聞いた山本伸一は語った。「五木に伝わる子守歌の守子のような境遇の子どもたちを、なんとしても幸せにしたいというのが、牧口先生の思いであり、創価教育の原点です。また、それが学会の心です。断じて不幸をなくそうという、牧口先生の、この心を知ってほしいんです。
五木の皆さんには、こうお伝えください。『やがて、村の多くの集落が湖底に沈んでしまう日が
来るにせよ、一日一日、力の限り、広宣流布に走り続けてください。地域の人びとの胸に、妙法の種子を植え続けてください。集落は湖底に消えても、妙法の種子は、人びとの心に幸せの花を咲かせ続けていきます』」伸一は、五木の同志に句を贈った。
妻を癌で亡くしたという男子部の本部長に、「順風満帆の人生は、ほとんどありません。皆、多かれ少なかれ、なんらかの試練に直面しながら、生きているものなんです。何もない人生であれば、ささいな障害にも不幸を感じ、打ちひしがれてしまう。人間が弱くなります。鍛えられません。君のように、若くして最愛の奥さんを亡くしたという人は、強くなります。また、人の苦しみがわかる人になれます。したがって、誰よりも慈愛にあふれたリーダーに育つことができるんです」
「試練は、自分を磨き、強くしていくための財産だ。心から、僧捉えていくことができれば、大成長できる。しかし、悲しみに負けて、感傷的になれば、足を踏み外し、自堕落になってしまうこともあり得る。今が、人生の正念場だよ。
君は、一人じゃないんだ。学会があるじゃないか。同志がいるじゃないか!みんなとスクラムを組んで、強く生きるんだよ。奥さんは、君の胸の中にいる。奥さんの分まで信心に励み、奥さんの分まで幸せになっていくんだ。成長を待っているよ。」強い響きの温かい声であった。
医学部5年の乃木辰志が父が信心に反対していると話すと、父親に感謝し、親を思う子としての振る舞いが大事だと話す。台湾出身の乃木の父は、日本の宗教に凝るなどとんでもないと、憎悪をあらわにしていた。乃木は、夫婦仲が悪いのは、母親が創価学会に入会したせいだと思っていた。
医学部に入学した時、反対されてもやめない信心を知りたくて、母の勧めで入会した。母親は祈って熊本へ来ると、組織を探し、学生部に息子を紹介して帰っていった。
乃木は、医師としての人間革命、境涯革命の重要性を痛感し、学会には、確固たる人生哲学があり、人間性豊かな触れ合いがあり、学会の組織は、人格形成の鍛錬の場であることを感じた。ある時、高校時代のクラスメートに「お前変わったな。今まで、自分のテストの点数しか考えない、エゴイストだと思っていたんだよ」と言われ、気づかぬうちに自らの人格を磨き、人間革命の大道を歩み始めていたのだ。友人の話で、それを知った彼の驚きは大きかった。
県長の柳節夫は思った。"先生は、一人ひとりの話に耳を傾け、真剣勝負で激励され続けてきた。懸命に、人材を見つけ、育てようとされているんだ。この励ましこそ、創価学会の生命線なんだ。私は、同志への地道な激励、指導とは、かけ離れたどこかに、広宣流布の大闘争があるように思っていた。しかし、それは、違う。ただ、ただ、眼前の一人に、全力を、魂魄を、熱誠を注いで、励ますことだった。その一人が希望に燃え、勇気をもって立ち上がることから、一家和楽も、地域広布も、世界平和も可能となる。広宣流布の直道は、一対一の対話、励ましにこそあるんだ!"
伸一は言った。「人材というと、表に立って指揮を執る人のように考えてしまいがちだが、裏で黙々と頑張る人も大切なんです。いや、そうした人を、見つけ、育てなければ、難攻不落の創価城は築けません。幹部は、同志の献身に、鋭く反応していくことです。
熊本文化会館の周辺には、朝から大勢の学会員が待機していた。山本伸一に一目会いたいと、熊本県の各地から来た人たちである。伸一は、来られている方々のために、勤行会を開いた。朗々たる伸一の読経が響き、皆の声が一つになった。
伸一は、祈った。ひたぶるに祈った。"立ち上がれ!わが獅子よ!君も、君も、あなたも、あなたも、新しい戦いの幕を開くのだ。困難を恐れるな!波浪に屈するな!私と共に、力の限り、生命の限り、広宣流布の使命に生きよう。そこに人生の勝利と幸福の大道があるからだ"
<人材城 終了>
<第25巻 終了>
太字は 『新・人間革命』第25巻より 抜粋