『新・人間革命』第22巻 新世紀の章 139p
山本伸一は、ハワイに到着したブラジル、ペルーの代表を宿舎に招いて、懇談のひと時をもった。「すべてを変毒為薬できるのが信心です。ゆえに、『ブラジルは勝つ』と、私は宣言しておきます」
「苦難に打ち勝とうと思えば、懸命に題目を唱えるし、何事にも必死になって取り組んでいく。そうすれば、力も出るし、自分を磨き、鍛えることができる。これが、勝利のバネになる。」
「ハッピーエンドの映画やテレビドラマも、艱難辛苦があるから感動を呼ぶ。皆さんは広宣流布の大ドラマを演じているんです。大試練がなければ、物語は成り立ちません。『苦難即栄光』『苦闘即勝利』なんです」
哲学者ヒルティは明言している。「苦しみを通してのみ、人生の真の使命が実現される」「ブラジルに限らず、これまで、国や社会の理解がなかなか得られずに、苦闘していることころがたくさんあります。」
「今、ブラジルは、大発展のための根を張り巡らしているんです。地中は暗く、根を伸ばすことは労作業です。しかし、根を張り巡らしていくならば、やがて芽も出る。茎も伸び、大きな花が咲く。時をつくり、時を待つんです。絶対に負けてはいけない」
7月25日、3日間にわたる「ブルー・ハワイ・コンベンション」の開幕の日を迎えた。この日の午後、山本伸一はワイキキの浜辺近くに完成した「ポリネシア村」を訪れた。これは、ポリネシアの島々の文化遺産や伝統を、世界の人びとに知ってもらい、理解を深める一助にしたいとの目的でつくられたものだ。
「この村を建設するのに使っている竹のほとんどは、ハワイ州政府が提供してくれました。これも、山本先生への深い尊敬と信頼があったからこそです。」伸一は語った。「そうした感謝の思いをいだけるのは、心が豊かだからです。」
コンベンションの開幕となる「ゴールデン・ハワイアン・ナイトショー」が始まった。出演者は、アメリカを代表する一流の芸術家のメンバーである。会場には、来賓として、ドミニカ共和国の副大統領や、パナマの駐ドミニカ大使などが出席していた。
山本伸一は、演技の合間をぬってあいさつに回った。伸一は、すべての来賓に、SGIのこと、仏法のことを、正しく理解する契機にしてほしかった。それには、誠実なあいさつ、真心の気遣いが重要になる。人間の振る舞いの中にこそ、思想、哲学も、信念も現れるからである。ゆえに、仏法者ならば、まず、万人を包み込む、春風のような、さわやかなあいさつを心がけることだ。
ひときわ大きな喝さいを浴びたのは、ジャズピアニストのハリー・ハンクスであった。ハンクスが信心を始めたのは32歳の時、既に彼はジャズ界をリードする存在として脚光を浴びていたが、自らの音楽に行き詰まりを感じていた。
ある日、コンサートで演奏したベース奏者ブルース・ウイルマーのソロ演奏に感動したハンクスは何か心境の変化があったのかと尋ねると、交通事故の後遺症で苦しんでいた妻が信心を始めて、病を克服し、自分も入信し、ハンクスも信心できるよう祈っていたというのだ。
信じがたいと思う彼に「初めから信じる必要はない。信じられなくとも、実践してみれば結果が出る。そうなれば、必ず信じるようになるよ」ハンクスは"地球の重力は信じようと信じまいと、現実に存在する。仏法という生命の因果の法則があるのならば、確かに実践することによって、なんらかの結果が出るに違いない"そして、彼は入信を決意したのである。
彼は祈っては、いろいろな音楽スタイルに思いをめぐらせた。唱題で開いた新境地であった。ほどなく、ハンクスらのレコードは150万枚の大ヒットとなった。
伸一は、ハンクスをこう励ました。「あなたはジャズ界の王者になる人です」それはハンクスの永遠の指針となった。
どんな人でも、その存在には重要な価値があり、誰もが、その人でなければできない使命を持っているということも実感できるようになった。ハンクスは新しい視野が開け、自分が大きく変わっていくのを感じた。
山本伸一は、ハワイに到着したブラジル、ペルーの代表を宿舎に招いて、懇談のひと時をもった。「すべてを変毒為薬できるのが信心です。ゆえに、『ブラジルは勝つ』と、私は宣言しておきます」
「苦難に打ち勝とうと思えば、懸命に題目を唱えるし、何事にも必死になって取り組んでいく。そうすれば、力も出るし、自分を磨き、鍛えることができる。これが、勝利のバネになる。」
「ハッピーエンドの映画やテレビドラマも、艱難辛苦があるから感動を呼ぶ。皆さんは広宣流布の大ドラマを演じているんです。大試練がなければ、物語は成り立ちません。『苦難即栄光』『苦闘即勝利』なんです」
哲学者ヒルティは明言している。「苦しみを通してのみ、人生の真の使命が実現される」「ブラジルに限らず、これまで、国や社会の理解がなかなか得られずに、苦闘していることころがたくさんあります。」
「今、ブラジルは、大発展のための根を張り巡らしているんです。地中は暗く、根を伸ばすことは労作業です。しかし、根を張り巡らしていくならば、やがて芽も出る。茎も伸び、大きな花が咲く。時をつくり、時を待つんです。絶対に負けてはいけない」
7月25日、3日間にわたる「ブルー・ハワイ・コンベンション」の開幕の日を迎えた。この日の午後、山本伸一はワイキキの浜辺近くに完成した「ポリネシア村」を訪れた。これは、ポリネシアの島々の文化遺産や伝統を、世界の人びとに知ってもらい、理解を深める一助にしたいとの目的でつくられたものだ。
「この村を建設するのに使っている竹のほとんどは、ハワイ州政府が提供してくれました。これも、山本先生への深い尊敬と信頼があったからこそです。」伸一は語った。「そうした感謝の思いをいだけるのは、心が豊かだからです。」
コンベンションの開幕となる「ゴールデン・ハワイアン・ナイトショー」が始まった。出演者は、アメリカを代表する一流の芸術家のメンバーである。会場には、来賓として、ドミニカ共和国の副大統領や、パナマの駐ドミニカ大使などが出席していた。
山本伸一は、演技の合間をぬってあいさつに回った。伸一は、すべての来賓に、SGIのこと、仏法のことを、正しく理解する契機にしてほしかった。それには、誠実なあいさつ、真心の気遣いが重要になる。人間の振る舞いの中にこそ、思想、哲学も、信念も現れるからである。ゆえに、仏法者ならば、まず、万人を包み込む、春風のような、さわやかなあいさつを心がけることだ。
ひときわ大きな喝さいを浴びたのは、ジャズピアニストのハリー・ハンクスであった。ハンクスが信心を始めたのは32歳の時、既に彼はジャズ界をリードする存在として脚光を浴びていたが、自らの音楽に行き詰まりを感じていた。
ある日、コンサートで演奏したベース奏者ブルース・ウイルマーのソロ演奏に感動したハンクスは何か心境の変化があったのかと尋ねると、交通事故の後遺症で苦しんでいた妻が信心を始めて、病を克服し、自分も入信し、ハンクスも信心できるよう祈っていたというのだ。
信じがたいと思う彼に「初めから信じる必要はない。信じられなくとも、実践してみれば結果が出る。そうなれば、必ず信じるようになるよ」ハンクスは"地球の重力は信じようと信じまいと、現実に存在する。仏法という生命の因果の法則があるのならば、確かに実践することによって、なんらかの結果が出るに違いない"そして、彼は入信を決意したのである。
彼は祈っては、いろいろな音楽スタイルに思いをめぐらせた。唱題で開いた新境地であった。ほどなく、ハンクスらのレコードは150万枚の大ヒットとなった。
伸一は、ハンクスをこう励ました。「あなたはジャズ界の王者になる人です」それはハンクスの永遠の指針となった。
どんな人でも、その存在には重要な価値があり、誰もが、その人でなければできない使命を持っているということも実感できるようになった。ハンクスは新しい視野が開け、自分が大きく変わっていくのを感じた。
太字は 『新・人間革命』第22巻より 抜粋