『新・人間革命』第30巻(上) 雌伏の章 167p~
太字は 『新・人間革命』第30巻より 抜粋
11月16日、創価学会創立49周年を記念する本部幹部会が、東京・巣鴨の東京戸田記念講堂で開催された。講堂の立つ豊島区には、初代会長・牧口常三郎と第二代会長・戸田城聖が軍部政府の弾圧によって投獄された東京拘置所があった。牧口は、ここで殉教の生涯を終えたのだ。
伸一は、先師の殉難の地である豊島区から、東京勝利の広布の大波を起こそうと決意していた。戦い抜こうという一念があれば、いかなる状況にあろうが、戦うことはできる。鉄格子のなかでさえ闘争の道はある。伸一は今、彼を封じ込め、仏意仏勅の広宣流布の団体である学会を崩壊させようとする策謀のなかで、必ず突破口を開こうと、懸命な戦いを開始していた。
伸一は、11月16日の本部幹部会は学会創立49周年を記念する式典であるだけに、わずかな時間でも出席し、同志と共に新しい広宣流布のスタートを切りたかった。彼は、長い話をすることは自粛し、上着を脱ぎ、扇を手に壇上の中央に立った。
「今日は、学会歌の指揮を執ります。『威風堂々の歌』にしよう!」会長辞任後、初めての伸一の指揮である。講演ばかりが、指導・激励ではない。戦いは智慧である。工夫である。創造である。どんなに動きを封じられようが、広宣流布への不屈の一念があれば、前進の道が絶たれることはない。伸一は、一曲の指揮で、皆の魂を奮い立たせようと、決意したのである。
彼は、まさに威風堂々と、大鷲のごとく、力強く舞った。“大東京よ、立ち上がれ!全同志よ、立ち上がれ!”と心で叫びながら。皆の息はピタリと合い、生命は一つにとけ合った。吹き荒れる嵐のなかで、この日、東京から、再び凱歌の行進が開始されたのだ。
山本伸一は、来る日も来る日も、各地や各部の代表らと懇談し、指導・激励を続けた。伸一は、青年たちとも好んで懇談した。男子部の幹部が、「先生が会合で指導されることがなくなってしまい、皆、寂しい思いをしています」と話すと、「そう感じたならば、青年が立ち上がるんです。そうでなければ、傍観者であり、主体者ではない。自分が一切を担おうと決めて、前進の原動力となっていくのが青年です」
「意見というのは、人の数だけあるといっても過言ではない。でも、どれかに決めなければならないので、皆で協議して決まったことに対しては、自分の希望通りではなくても、心を合わせ、成功するように最大の努力を払っていくことが大事です。
座談会を運営していく側の人は、参加できないメンバーのことを考慮して、別の日に、小さな単位での語らいの場をもつとか、たまには曜日を変えてみるとか、皆が平等に、喜々として信心に励めるように工夫をしていくことが必要です。
戸田記念講堂は、その場所にも近く、両先生の死身弘法の精神をとどめる創価の新法城として
工事が進められ、この年の6月に完成したのである。しかし、山本伸一落成式への出席を控えた。
そうしたなかでも、講堂のオープンに尽力してくれている方々を讃え、御礼を述べようと、
式典の前日に行動を訪れ、同志と語らい、励ましたのである。
伸一は、先師の殉難の地である豊島区から、東京勝利の広布の大波を起こそうと決意していた。戦い抜こうという一念があれば、いかなる状況にあろうが、戦うことはできる。鉄格子のなかでさえ闘争の道はある。伸一は今、彼を封じ込め、仏意仏勅の広宣流布の団体である学会を崩壊させようとする策謀のなかで、必ず突破口を開こうと、懸命な戦いを開始していた。
伸一は、11月16日の本部幹部会は学会創立49周年を記念する式典であるだけに、わずかな時間でも出席し、同志と共に新しい広宣流布のスタートを切りたかった。彼は、長い話をすることは自粛し、上着を脱ぎ、扇を手に壇上の中央に立った。
「今日は、学会歌の指揮を執ります。『威風堂々の歌』にしよう!」会長辞任後、初めての伸一の指揮である。講演ばかりが、指導・激励ではない。戦いは智慧である。工夫である。創造である。どんなに動きを封じられようが、広宣流布への不屈の一念があれば、前進の道が絶たれることはない。伸一は、一曲の指揮で、皆の魂を奮い立たせようと、決意したのである。
彼は、まさに威風堂々と、大鷲のごとく、力強く舞った。“大東京よ、立ち上がれ!全同志よ、立ち上がれ!”と心で叫びながら。皆の息はピタリと合い、生命は一つにとけ合った。吹き荒れる嵐のなかで、この日、東京から、再び凱歌の行進が開始されたのだ。
山本伸一は、来る日も来る日も、各地や各部の代表らと懇談し、指導・激励を続けた。伸一は、青年たちとも好んで懇談した。男子部の幹部が、「先生が会合で指導されることがなくなってしまい、皆、寂しい思いをしています」と話すと、「そう感じたならば、青年が立ち上がるんです。そうでなければ、傍観者であり、主体者ではない。自分が一切を担おうと決めて、前進の原動力となっていくのが青年です」
「新しい活動などを提案しても、壮年の先輩たちは、なかなか賛成してくれません」と困惑した顔で
語ると、「年配者には、豊富な経験がある。この経験則という裏づけがあるだけに、年配者の判断には
間違いが少ない。しかし、自分が経験していない物事には否定的になりやすい。
壮年幹部の側は、その点を心して、青年の意見に、積極的に耳を傾けていくべきです。青年幹部の
側は、先輩の壮年や婦人の幹部に賛成してもらうためには、まず、説得力を培っていくことです。
それには、“なぜ、それが大事なのか”を、明快に、理路整然と説明できなくてはならない。
また、その根拠を示すことが大事です。道理に適った話であれば、誰もが納得せざるを得ない。その説得力を最も磨いていけるのが折伏です。さらに、青年らしい、一途な情熱が大事です。結局、人の魂を揺り動かした時に、事態は大きく進展するんです。
そして、実績を積むことです。実証が信頼につながっていきます。すぐにあきらめたり、挫けたり
しないことです。指摘された問題点を検討し、改善し、何度でも案をぶつけていくことです。
粘り強さが大事だよ」伸一の言葉は、自身の体験に裏づけられていた。
「意見というのは、人の数だけあるといっても過言ではない。でも、どれかに決めなければならないので、皆で協議して決まったことに対しては、自分の希望通りではなくても、心を合わせ、成功するように最大の努力を払っていくことが大事です。
座談会を運営していく側の人は、参加できないメンバーのことを考慮して、別の日に、小さな単位での語らいの場をもつとか、たまには曜日を変えてみるとか、皆が平等に、喜々として信心に励めるように工夫をしていくことが必要です。