『新・人間革命』第27巻 激闘の章 289p~
伸一は、創価大学出身の青年部員と会い、近況を尋ねた。伸一は、言った。「今は、ともかく職場で実証を示し、なくてはならない人になることが大事です。同時に、創価学会の組織こそ、自分が根を張る大地であると、心を定めることです。“学会活動したい”と思っても、仕事が多忙なために、十分に動けない時期もあるでしょう。しかし、“忙しいから仕方がない”と、心の中で、信心、学会活動を切り捨ててはならない。まして、それほど忙しくもないのに、活動に出ようとしないのは、わがままであり、敗北です。
どこまでも、学会と共に生き、広宣流布をわが生涯の目的と定め、弘教し抜いていくというのが、学会員としての生き方の原点です。仕事が忙しく、会合に出られない時こそ、“必ず、活動に参加できるようになろう”と、心に決めるんです。その一念が成長につながっていくし、やがて事態を変えていく力になっていきます。
そして、一生懸命に、御書をはじめ、『聖教新聞』などを読み、学会活動できるように真剣に唱題するんです。また、少しでも時間を見つけては、同志と会い、広宣流布への決意を新たにしていくことが大切です」孤立は、勇気、活力を奪っていく。同志の連帯が、生命の燃焼をもたらすのだ。
「もしも、信仰について、とやかく言われることがあっても、『信教の自由は憲法で保障されているではありませんか。激流の社会で生き抜いていくには、確かな哲学が必要です。仏法というのは、その哲学の根本なんです』と、胸を張っていくんです。
草創期の学会員の多くが、信心をしているということから、職場で意地悪をされたり、仲間外れにされたりしてきた。でも、そのなかで堂々と信心を貫き、職場で勝利の実証を積み重ね、信頼と尊敬を勝ち取ってきたんです。諸君も、そうなってください」
就職先が見つからないというメンバーには、「仕事は、生きるために不可欠なものだから、必ずしも、自分が希望する職場ではなくとも、我慢することが必要です。“広宣流布の使命を果たしていくために仕事を与えてください。道を開いてください”と、しっかり祈っていくんです。広宣流布につながる祈りは、仏・菩薩の祈りであり、その真剣な唱題が大宇宙をも動かしていきます」
翌日、伸一は、福岡に向かった。彼はこれまで、全会員が誤りなく幸福の大道を歩んでいくためにも、組織を強化して広宣流布を伸展させていくためにも、個人指導の重要性を強調してきた。そして、全幹部が個人指導に励もうとする機運が、学会内にみなぎり始めていたのである。
伸一は、個人指導の基本姿勢について述べていった。「第一に、決して、感情的になってはならないということであります。指導する側が感情的になれば、相手は、心を開こうとはしなくなります。そうなれば、指導も、激励も成り立ちません」
「第二に、個人指導は、どこまでも新人の確信が根本であるということです。したがって、個人指導を行う際には、しっかり唱題し、強い生命力を湧現させていくことが大事です。また、自分の体験や、多くの同志の体験を語っていくことも必要です。
第三に、相談を受けた内容を他言しては、絶対にならないということを銘記していただきたい。特に、宗教者には守秘義務があります。万が一にも、相談を受けた話が漏れるようなことがあれば、それは、学会全体への不信となり、仏法のうえから見ても、結果的に、広宣流布を破壊する重罪となります。
第四に、粘り強く、包容力豊かに、指導の任に徹していくべきであります。すぐに発心することは、むしろ、まれです。折を見て、また、お伺いしては、根気強く、励まし続けていく。個人指導に求められるのは、持続力なんです。
第五に、抜苦与楽の精神こそ、個人指導の大目的であることを忘れないでください。『大丈夫ですよ。長い人生なんですから、焦ることはありません。祈りは必ず通じますよ』個人指導には、人を大事にする心、相手への深い思いやりが不可欠である。その心が、さまざまな気遣いとなり、配慮と励ましの言葉となって表れるのである。
伸一は、創価大学出身の青年部員と会い、近況を尋ねた。伸一は、言った。「今は、ともかく職場で実証を示し、なくてはならない人になることが大事です。同時に、創価学会の組織こそ、自分が根を張る大地であると、心を定めることです。“学会活動したい”と思っても、仕事が多忙なために、十分に動けない時期もあるでしょう。しかし、“忙しいから仕方がない”と、心の中で、信心、学会活動を切り捨ててはならない。まして、それほど忙しくもないのに、活動に出ようとしないのは、わがままであり、敗北です。
どこまでも、学会と共に生き、広宣流布をわが生涯の目的と定め、弘教し抜いていくというのが、学会員としての生き方の原点です。仕事が忙しく、会合に出られない時こそ、“必ず、活動に参加できるようになろう”と、心に決めるんです。その一念が成長につながっていくし、やがて事態を変えていく力になっていきます。
そして、一生懸命に、御書をはじめ、『聖教新聞』などを読み、学会活動できるように真剣に唱題するんです。また、少しでも時間を見つけては、同志と会い、広宣流布への決意を新たにしていくことが大切です」孤立は、勇気、活力を奪っていく。同志の連帯が、生命の燃焼をもたらすのだ。
「もしも、信仰について、とやかく言われることがあっても、『信教の自由は憲法で保障されているではありませんか。激流の社会で生き抜いていくには、確かな哲学が必要です。仏法というのは、その哲学の根本なんです』と、胸を張っていくんです。
草創期の学会員の多くが、信心をしているということから、職場で意地悪をされたり、仲間外れにされたりしてきた。でも、そのなかで堂々と信心を貫き、職場で勝利の実証を積み重ね、信頼と尊敬を勝ち取ってきたんです。諸君も、そうなってください」
就職先が見つからないというメンバーには、「仕事は、生きるために不可欠なものだから、必ずしも、自分が希望する職場ではなくとも、我慢することが必要です。“広宣流布の使命を果たしていくために仕事を与えてください。道を開いてください”と、しっかり祈っていくんです。広宣流布につながる祈りは、仏・菩薩の祈りであり、その真剣な唱題が大宇宙をも動かしていきます」
翌日、伸一は、福岡に向かった。彼はこれまで、全会員が誤りなく幸福の大道を歩んでいくためにも、組織を強化して広宣流布を伸展させていくためにも、個人指導の重要性を強調してきた。そして、全幹部が個人指導に励もうとする機運が、学会内にみなぎり始めていたのである。
伸一は、個人指導の基本姿勢について述べていった。「第一に、決して、感情的になってはならないということであります。指導する側が感情的になれば、相手は、心を開こうとはしなくなります。そうなれば、指導も、激励も成り立ちません」
「第二に、個人指導は、どこまでも新人の確信が根本であるということです。したがって、個人指導を行う際には、しっかり唱題し、強い生命力を湧現させていくことが大事です。また、自分の体験や、多くの同志の体験を語っていくことも必要です。
第三に、相談を受けた内容を他言しては、絶対にならないということを銘記していただきたい。特に、宗教者には守秘義務があります。万が一にも、相談を受けた話が漏れるようなことがあれば、それは、学会全体への不信となり、仏法のうえから見ても、結果的に、広宣流布を破壊する重罪となります。
第四に、粘り強く、包容力豊かに、指導の任に徹していくべきであります。すぐに発心することは、むしろ、まれです。折を見て、また、お伺いしては、根気強く、励まし続けていく。個人指導に求められるのは、持続力なんです。
第五に、抜苦与楽の精神こそ、個人指導の大目的であることを忘れないでください。『大丈夫ですよ。長い人生なんですから、焦ることはありません。祈りは必ず通じますよ』個人指導には、人を大事にする心、相手への深い思いやりが不可欠である。その心が、さまざまな気遣いとなり、配慮と励ましの言葉となって表れるのである。
太字は 『新・人間革命』第27巻より 抜粋