『新・人間革命』第19巻 陽光の章 269P~
夕刻にはアメリカ本部を訪問し、本部の職員の激励に渾身の力を注いだ。それから伸一は、アメリカの中心者に言った。「中心者と本部の職員が団結していくことです。」
コンベンションは大成功に終わったものの、中心者が職員の信頼を失い、団結することができなければ、早晩、広宣流布の前進は行き詰ってしまうことになる。
「アメリカは民主主義の象徴の国です。みんなでなんでも話し合い、"対話第一"でいくことです。身近なスタッフの支持を得られなければ、本当の戦いは起こせません。」
4月9日午後、山本伸一は、マリブの研修所で、青年リーダーの研修会を行った。研修はいずれも懇談会形式で進められた。伸一は、できる限り、最初に勤行を共にするようにした。そこにこそ、真実の生命の融合があるからである。
そして、信心の基本である、唱題の意義などについて、あらゆる角度から語っていった。「南無妙法蓮華経こそ生命を革命する、世界共通の音声です。宇宙の大生命と自己とを合致させる道は、唱題しかありません。唱題によって、わが生命は覚醒し、生命力を汲み上げることができる。さらに、自身の生命を磨き、仏性を現していくことができるんです」
伸一は、知識を教えたのではない。「不惜身命」の決意という"志"の種子を懸命に植えようとしたのである。
青年の一人が、その視野の大きさと哲学的な深さをどうやって身につけられたのかと尋ねると、伸一は言下に応えた。「すべて、師匠である戸田先生によって育まれたものです。」
「先生は講義を通し、学問のホシとは何かを教えてくださった。智慧の眼を開かせることに、最大の力点を置かれて講義された。」「この先生があってこそ、今の私があるんです。」
「私はその戸田大学の優等生として、それを世界に証明する義務があると思っています。いや、必ずそうしてみせます。それが弟子の道です。」
伸一は、戸田がある講義を終了した時、一輪の花を私の胸に挿して、『優等生への勲章だ』と言われたエピソードを話し、「一輪の花といえども、師匠から授かった勲章です。世界中で最も尊い、最高の誉れであると思いました。実は、その心が大事なんです。こうして顕彰される根本の因は、その心にあったと確信しています」
コンベンションの大成功を祝う祝賀会で、伸一との別れを寂しく感じる皆に、「広宣流布をめざして、私と同じ決意で戦うならば、生命はいつも通い合います。それが、師弟不二です。また、仏法の師弟は三世常住です。ゆえに、皆さんとは今世だけでなく、来世も一緒です。」と語った。
「指導とは激励なり、励ましなり」人びとの仏の生命を湧現せしめ、大いなる生命力を、善なる心を、正義の意思を、勇気を、希望を、呼び覚ますための聖業である。その行為を、平易な言葉で表現するなら、「励まし」といえよう。
4月10日、ハワイのホノルル空港に到着した。ヒロト・ヒラタを見舞うために訪問したのだ。伸一は、彼を抱きしめながら、励ました。一人の弟子を思う師の心に、皆、感動せずにはいられなかった。"これが創価学会の師弟の世界なのか!"メンバーは、伸一の振る舞いを通して、仏法の師弟の神髄を学んでいったのである。
伸一は、国立太平洋記念墓地を訪れた。「広宣流布とは恒久平和の異名でもある。断じて戦争をなくそうという戸田城聖の誓いから、戦後の創価学会は始まった。ゆえに、平和を祈り、平和のために戦うことが、学会の精神なのだ。
プレ・ハワイ・コンベンションにグアム島から参加しているメンバーの代表と懇談するなかで、全世界を一つに結ぶ、日蓮仏法を実践する国際団体の発足を構想し、創価学会創立45周年の明1975年に結成し、その結成の場所を、世界平和への誓いを込め、戦場の島となったグアムにしてはどうかと構想したのである。
「みんなが力を合わせて、グアムを平和と幸福の楽園にしていってください。そのための仏法です。そのために皆さんがいるんです。グアムは世界広宣流布の歴史のうえで大事な意義をもつ地域になるでしょう」
メンバーは、伸一の言葉が、何を意味するのかはわからなかった。しかし、自分たちの大きな使命を感じとり、決意を新たにするのであった。
<陽光の章 終了>
夕刻にはアメリカ本部を訪問し、本部の職員の激励に渾身の力を注いだ。それから伸一は、アメリカの中心者に言った。「中心者と本部の職員が団結していくことです。」
コンベンションは大成功に終わったものの、中心者が職員の信頼を失い、団結することができなければ、早晩、広宣流布の前進は行き詰ってしまうことになる。
「アメリカは民主主義の象徴の国です。みんなでなんでも話し合い、"対話第一"でいくことです。身近なスタッフの支持を得られなければ、本当の戦いは起こせません。」
4月9日午後、山本伸一は、マリブの研修所で、青年リーダーの研修会を行った。研修はいずれも懇談会形式で進められた。伸一は、できる限り、最初に勤行を共にするようにした。そこにこそ、真実の生命の融合があるからである。
そして、信心の基本である、唱題の意義などについて、あらゆる角度から語っていった。「南無妙法蓮華経こそ生命を革命する、世界共通の音声です。宇宙の大生命と自己とを合致させる道は、唱題しかありません。唱題によって、わが生命は覚醒し、生命力を汲み上げることができる。さらに、自身の生命を磨き、仏性を現していくことができるんです」
伸一は、知識を教えたのではない。「不惜身命」の決意という"志"の種子を懸命に植えようとしたのである。
青年の一人が、その視野の大きさと哲学的な深さをどうやって身につけられたのかと尋ねると、伸一は言下に応えた。「すべて、師匠である戸田先生によって育まれたものです。」
「先生は講義を通し、学問のホシとは何かを教えてくださった。智慧の眼を開かせることに、最大の力点を置かれて講義された。」「この先生があってこそ、今の私があるんです。」
「私はその戸田大学の優等生として、それを世界に証明する義務があると思っています。いや、必ずそうしてみせます。それが弟子の道です。」
伸一は、戸田がある講義を終了した時、一輪の花を私の胸に挿して、『優等生への勲章だ』と言われたエピソードを話し、「一輪の花といえども、師匠から授かった勲章です。世界中で最も尊い、最高の誉れであると思いました。実は、その心が大事なんです。こうして顕彰される根本の因は、その心にあったと確信しています」
コンベンションの大成功を祝う祝賀会で、伸一との別れを寂しく感じる皆に、「広宣流布をめざして、私と同じ決意で戦うならば、生命はいつも通い合います。それが、師弟不二です。また、仏法の師弟は三世常住です。ゆえに、皆さんとは今世だけでなく、来世も一緒です。」と語った。
「指導とは激励なり、励ましなり」人びとの仏の生命を湧現せしめ、大いなる生命力を、善なる心を、正義の意思を、勇気を、希望を、呼び覚ますための聖業である。その行為を、平易な言葉で表現するなら、「励まし」といえよう。
4月10日、ハワイのホノルル空港に到着した。ヒロト・ヒラタを見舞うために訪問したのだ。伸一は、彼を抱きしめながら、励ました。一人の弟子を思う師の心に、皆、感動せずにはいられなかった。"これが創価学会の師弟の世界なのか!"メンバーは、伸一の振る舞いを通して、仏法の師弟の神髄を学んでいったのである。
伸一は、国立太平洋記念墓地を訪れた。「広宣流布とは恒久平和の異名でもある。断じて戦争をなくそうという戸田城聖の誓いから、戦後の創価学会は始まった。ゆえに、平和を祈り、平和のために戦うことが、学会の精神なのだ。
プレ・ハワイ・コンベンションにグアム島から参加しているメンバーの代表と懇談するなかで、全世界を一つに結ぶ、日蓮仏法を実践する国際団体の発足を構想し、創価学会創立45周年の明1975年に結成し、その結成の場所を、世界平和への誓いを込め、戦場の島となったグアムにしてはどうかと構想したのである。
「みんなが力を合わせて、グアムを平和と幸福の楽園にしていってください。そのための仏法です。そのために皆さんがいるんです。グアムは世界広宣流布の歴史のうえで大事な意義をもつ地域になるでしょう」
メンバーは、伸一の言葉が、何を意味するのかはわからなかった。しかし、自分たちの大きな使命を感じとり、決意を新たにするのであった。
<陽光の章 終了>
太字は 『新・人間革命』第19巻より 抜粋