小説 新・人間革命に学ぶ

人生の 生きる 指針 「小説 新・人間革命」を 1巻から30巻まで、読了を目指し、指針を 残す

April 2020

新宿成人会結成

『新・人間革命』第16巻 入魂の章 41P~

伸一は、どのグループの撮影の折にも、マイクを手に、「本陣・新宿」の使命を訴えた。彼は、新宿に限らず、全学会員に、自分の住んでいる地域に、深い意義を見いだし、誇りをもってほしかった。そこから、わが地域への愛着が生まれ、地域建設が始まるからだ。

彼は語った。「私が青年時代に決意したことの一つは、“広宣流布に生きようと決めた限りは、何があっても、文句など言うまい”ということでした。建設的な意見は大事だが、文句や愚痴は、いくら言っても前進はありません。言えば言うだけ、心は荒み、自分の意欲を削いでいきます。」

「また、それは、自分の情けなさ、卑屈さ、無力さを吹聴しているようなものであり、自らの価値を、人格を、下落させることになる。しかも、文句や愚痴は周囲を暗くさせ、皆のやる気までも奪い、前進の活力を奪ってしまう。だから、福運も功徳も消すことになる。」

『賢者はよろこび愚者は退く』です。私たちは、何事も莞爾として受け止め、さわやかに、勇んで行動していこうではありませんか。」皆が笑顔で頷いた。

伸一は、記念撮影をした青年に『1・15』グループを結成しょうと提案した。結成によって、各人の年ごとの目標が明らかになっていったのである。

壮年部には、若い世代に豊富な経験や精神を語り伝えていただきたいと話し、「なかには、とても、人に語りうるものはないと思っていらっしゃる方もいるかもしれない。それならば、これから戦いを起こし、自身の広布のテーマに、懸命に挑戦していくことです。勇んで行動を開始すればよい。信心に遅すぎるということはありません。」

「壮年は、ともすれば、自分の小さなプライドに縛られたり、面倒くさがり、”何を今さら”と考えて、一途に行動を起こせない傾向がある。それが魂を老いさせるんです。それを打ち破るのが勇気です。勇気は若さにつながります。ともあれ、自らが行動し、つかんだ体験こそが、人生の真実の財産です。」

成人式を迎えたメンバーには、『新宿成人会』を結成しようと提案。今日を第一期とし、2期、3期と結成し、伝統として、毎年、集い合い、互いの成長を確認し、誓いを新たにしようと話した。まさに、この日は、「世界の模範・新宿」への出陣の日となったのである。

29日には、山本伸一は、沖縄に向かった。沖縄はこの1972年(昭和47年)の5月15日に、日本に返還されることになっていたのである。

沖縄総合本部の総合本部長高見福安は、「皆、日本一の広宣流布の理想郷をつくろうと固く誓い合っています」

「先生に呼吸を合わせ、心を一つにして戦うと、生命の電流が流れるように、元気が出る。勇気が涌いてくる。どんな壁も、次々と打ち破っていけると実感している。これは、どうしてでしょうか」という福安に伸一は答えた。

「勉強でさえ、自分だけでやっていたのでは、わからない問題に、行き詰ったり、偏ったものになってしまいがちです。しかし、よい先生に教われば、わかりやすいし、やる気も引き出してくれる。基本もしっかり教えてくれるし、能率的な学習法を身につけられる。当然向上も著しい。」

「私も、戸田先生の心を心とし、常に呼吸を合わせて戦ってきました。すると、“これはかなり困難な課題だ。果たしてできるだろうか”と思っていたことも、“必ずできる!”という確信に変わっていきました。どんなに辛く、大変な時でも、勇気が涌き、元気が出ました。そして、日々、自分の壁を破ることができたんです。」

「それは、広宣流布をわが使命とされ、現代における地涌の菩薩のリーダーとして立たれた戸田先生の、大生命と感応していったからです。広宣流布の師弟の道を行く人には、行き詰まりがありません。師匠と心が一つにとけ合った時、無限の力が涌くというのが、私の人生の結論なんです。」

人間が自身の力を最大限に発揮し、自分を生かしきる道こそが、「師弟不二」の道であることを、伸一は、確認しておきたかったのである。


太字は 『新・人間革命』第16巻より 抜粋

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創価学会の本陣 新宿区

『新・人間革命』第16巻 入魂の章 28P~ 

この時、彼の指導を実感をもって受け止めることができた人は皆無であった。だが、7、8年後、メンバーは、この折の伸一の指導を、痛感することになる。学生部出身の弁護士や幹部であった人間が退転し、宗門の悪僧と結託して、学会の崩壊を企てたのである。


「惰弱でずる賢い姿勢が見られたり、不正がある者がいたら、見て見ぬふりをするのではなく、厳格に指摘し、諫めていくことが慈悲です。それが相手を救うことになるんです。」

「大切なことは、退転し、反逆していく者の嘘を見破り、その悪を暴き出し、徹底して打ち砕いていくことです。」「反逆者が学会を、広宣流布を破壊する元凶になります。だから、あらゆる力を尽くして、悪の根を立ち切っていくまで、戦って、戦って、戦い抜くことです。」

「私どもがいかに正義であっても、中途半端な戦いであったならば、敗れてしまう。断じて追撃の手を緩めてはならない。これは、大学会の諸君に託す私の遺言です。いいですね!」「大学会の諸君、21世紀を頼むよ。その時こそ、勝負だよ。」伸一の烈々たる呼びかけで、初の大学会総会は劇的に幕を閉じた。

1972年(昭和47年)「地域の年」を迎えて、山本伸一が最も力を注ごうと決意していたのは、ブロック長、ブロック担当員(後の白ゆり長)など、最前線の幹部との記念撮影であった。創価学会は大発展し、事実上、日本第一の教団となった。しかし、大事なことは、最前線の組織であるブロックが、どれほど活気に満ち、躍動しているかである。

1月15日には、新宿区のブロック幹部を中心とした記念撮影に臨んだ。伸一の新宿への期待は大きかった。しかし、当時、新宿の組織は、決して強いとはいえなかった。学会の組織の強さは、人間の絆の強さで決まるといってよい。それだけに、人の動きが激しく、人間関係が希薄化しがちな都心で、堅固な組織をつくり上げるのは難しいという思いが、皆の心の片隅にあった。

しかし、伸一は、新宿区を、本陣にふさわしい世界一の団結を誇る、最も強力で理想的な組織にしなければならないと、深く心に誓っていた。希薄化した人間関係など、新宿のかかえる問題は、都市化が進む現代社会を象徴する課題といえた。

だからこそ、新宿の同志が、その困難をはね返し、見事な広宣流布の黄金城を築きあげることができれば、未来に燦然たる希望の光を送り、堂々たる全国模範の道を切り開くことになるのだ。

撮影の日はあいにくの雨であった。伸一は、語った。「時には、祈っても思い通りにならない場合もあるかもしれない。でも、それは、必ず何か意味があるんです。最終的には、それでよかったのだと、心の底から、納得できるものなんです。」

「仏法は価値創造の源泉である。」「要は、どんなことがあっても、そこに、何か意味を見いだして、勇んで、挑戦していくことが、価値の創造につながるんです。それには、人生の哲学と智慧、そして、生命力が必要になる。実は、そのための信心なんです。」物事をどうとらえるかが、「哲学」である。

一つ一つの物事をどうとらえるかは、人間の生命力と密接に関わってくる。弱気になり、活力のない時には、物事を前向きにとらえようとしても、ついつい後ろ向きに考えてしまうものだ。人間の思考は、生命力と不可分なものといえよう。そして、満々たる生命力をたたえる源泉こそが、唱題なのだ。

「新宿区は学会の本陣」であるとの言葉に、誰もが、ハッとした。「世界中のメンバーが、”学会本部がある新宿区とは、どんな地域なのか。どのくらい広宣流布が進んでいるのか”と、大きな関心をもって見ています。新宿区が広宣流布の先駆けとなり、人間共和の理想的な組織をつくれば、日本中、世界中が見習っていきます。」

「どうか皆さんは、”私は、深き使命があって、この本陣に集っているのだ。じぶんたちこそ、尊き本陣の守り手なのだ”との誇りをもって、威風堂々と前進していってください。」


太字は 『新・人間革命』第16巻より 抜粋

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なぜ、自分だけ、苦労するのか

『新・人間革命』第16巻 入魂の章 18P~ 

伸一は、人間革命の要諦について語っていった。「根本的には、唱題に励み、生命を磨きぬいていくことです。自身を見つめ、自分の問題点や生命の傾向性を自覚していくことが大切です。たとえば、誰にでも、“不幸は人のせいだと考えてしまう”“人の意見を聞かない”等々、それぞれ欠点がある。

それは自身の成長や幸福を妨げる一凶となる。ところが、人間は、言われなければ、なかなかこの一凶に気づかない。だから、それを厳しく指摘し、切磋琢磨してくれる、先輩や友人をもつことが必要になる。この自分の一凶と戦い、転換していく、真剣な祈りがなくてはならない。

学会活動に励み、困難な戦いに直面すればするほど、“こんなつもりではなかった”“なぜ自分だけ、こんなに苦労するのだ”等々、自分の弱さや臆病さなどの欠点があらわれてくるものです。

だが、自分に負けず、一つ一つの活動に勝利していくなかに、鍛えがあり、自身の一凶に打ち勝つ人間革命の道がある。学会活動の場は、自分の生命を鍛え上げる道場です。広宣流布の使命に生きようと心を定め、自身を鍛え抜くなかに、宿命の転換もあるんです。」

「心が決まったら、今日から頑張るんだ。いつか頑張ろうなんて考えていたら、時を逃すよ。」「大事なのは今だ。今日、何をするかだ。」

第一回「全国大学会総会」の参加者の多くは、21世紀を迎えた時、50代である。21世紀の開幕の年は、戸田先生が会長として立たれ、本格的な広宣流布の開拓作業を開始されてから、50年後にあたる。この21世紀初頭は、広宣流布の永遠の基盤をつくる、総仕上げの時代となる。

この決着点の時をめざして、力を蓄え、新世紀の本舞台に、さっそうと躍り出るリーダーたちが、今日の参加者をはじめとする大学会のメンバーである。ゆえに彼は、メンバーに21世紀の勝利を託す儀式として、あえて大学会総会を開催するように提案したのである。

「『総体革命』とは何かについて論じておきたい。」「この総体革命は、宗教による精神の革命を機軸にして、初めて可能となるのであり、そこに私ども創価学会の、宗教運動の意義があることを知っていただきたい」

「総体革命を成し遂げるといっても、決して、特別なことではありません。広宣流布をわが使命として、仏法対話に励み、人間革命の哲理である日蓮仏法を、人びとに伝えていくことです。」

「そして、各人が信心を根本に、それぞれの分野で最大限に個性を発揮しながら、社会に貢献し、一個の人間として社会で勝利の実証を示していくことが大事になる。それによって、仏法という生命変革の哲理に対する、賛同と共感が広がり、人間主義による平和と人道の連帯が築かれていくからです。」


伸一は、佐渡御書の一節を拝読していった。「日蓮を信ずるやうなりし者どもが日蓮がかくなれば疑いををこして法華経をすつるのみならずかへりて日蓮を教訓して我賢しと思わん僻人等が念仏者よりも久しく阿鼻地獄にあらん事不便とも申す計りなし」彼は、未来のために、この御聖訓を、皆の生命に刻んでおきたかった。

「あたかも日蓮大聖人を信じ、どこまでも随順していくかのようでありながら、ひとたび大聖人が大難にあわれると、疑いを起こし、法華経を捨てた臆病な弟子たちがいた。しかも、彼らは、大聖人を悪口し、教訓して、自分たちの方が賢いと思っている。自分の臆病さを正当化し、大難を逃れ、尊大ぶって師を批判する。臆病と慢心は表裏一体なんです。」

戸田先生が、亡くなる少し前、ある人物が、これからの学会の敵は何かと質問した。その時、先生は、言下に『敵は内部だよ』と答えられた。『獅子身中の虫』が仏法を破るのだと、大聖人も結論されている。ゆえに、広宣流布の道は『獅子身中の虫』との戦いであるということを、生命に刻んでいただきたい。」

太字は 『新・人間革命』第16巻より 抜粋

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常に同志を思う励まし

『新・人間革命』第16巻 入魂の章 7P~ 

<新・人間革命 第16巻 入魂の章 開始>

1972年(昭和47年)の元日を迎えた山本伸一の胸は、天をも焦がさんばかりの闘魂が燃えていた。時を逃せば、何事も成就しない。立つときべきに立たず、戦うべき時に戦わなかければ、自身の一生成仏のチャンスも、広宣流布の好機も逃してしまう。伸一は、今こそ、全同志が総立ちする「まことの時」が、遂に来たことを、痛感していた。

いよいよ、この年の10月に、大聖人が後世の弟子たちに建立を託された、本門の戒壇となる正本堂が、総本山大石寺に落成するのだ。この正本堂によって、広宣流布の流れは立正安国の本格的な実現の檀家に入るとともに、世界広布の新展開を迎えることになる。

その新しき大建設のためには、全同志の胸中に永遠に崩れることのない堅固なる信心の柱を打ち立てねばならない。


ゆえに、この一年を「地域の年」と名付け、立正安国を実現する基盤づくりに、全力で取り組んでいった。社会の繁栄や平和といっても、それをささえるものは地域であるからだ。

地域建設に心躍らせる同志たちの、大きな励ましとなったのが、「聖教新聞」元日付に掲載された山本伸一の「わが友へ」と題する短文指導の贈言であった。伸一が、敬愛するわが同志に、“勇気の火をともしたい。希望の光を注ぎたい”と、生命を振り絞るようにして紡ぎ出した言葉である。


2日、伸一は44歳の誕生日を迎えた。伸一は、師の戸田をしのぶと勇気が涌いた。元気が出た。人間は崇高な理想に生きようと決意しても、ともすれば、自分の心に生ずる、怖れや迷い、怠惰、さらにまた、慢心によって、敗れ去ってしまうものだ。

だが、心に「師匠」という規範をもつ人は、自身の弱さに打ち勝つことができる。伸一にとって、戸田は厳たる灯台であった。師は、どんなに激しい嵐の夜でも、進むべき未来の航路を照らし出し、見守り続けてくれているというのが、彼の実感であった。
戸田という師をもてたことが、いかに幸せであったかーーと、伸一は、しみじみと思うのである。

夜、第一回の全国大学会総会が行われることになっていた。そのうちの一人が視線をそらしたのを、伸一は、見逃さなかった。就職し、職場にも会社の寮にも、学会員がいなくて、いつしか信心を忘れていたという。

伸一は、「すべてのものには使命がある。仕事に力を注ぎ、職場の第一人者になることは大切です。しかし、なんのための人生かを忘れてはならない。それは、人びとと社会に貢献するためです。この広宣流布という根本目的を忘れずに、職場の勝利者となり、立派な家庭を築き、信頼と幸福の実証を示していくことが大事なんです。それが、仏法の力の証明になるからです。」

「信心を離れて、本当の生命の充実も、歓喜もありません。どんなにお金を稼ごうが、社会的に偉くなろうがそれだけでは、最後に残るのは空しさであり、老いや死に対する不安と恐怖です。生老病死という人間の根本的な苦悩を解決できるのは仏法しかありません。」
伸一は、なんのための信心かを、青年にわかってほしかったのである。

自分の気の弱さに悩んでいるという彼に「“優しさ”と“気の弱さ”は、一つの性分のあらわれ方の違いと言えるだろうね。“優しさ”として生かされれば長所となるし、“気の弱さ”となってあらわれれば短所となってしまう。そして、性分が常に短所となって作用すれば、それが不幸の原因にもなる。」

その要因は自分の性分にあるから、どこに行っても同じようなことを繰り返してしまう。
「信心で変えられるんですか」との質問に、「人間の性分自体は変わらないが、信心によって、自分の性分を良い方向に生かしていくことができる。」

「すぐにカッとなる人というのは、情熱的で、正義感が強いということです。信心に励めば、つまらぬことでカッとなるのではなく、悪や不正を許さぬ正義の人になる。その長所の部分が引き出されていくんです。そうなっていくことが人間革命なんです。それには、具体的にどうしていけばよいのか --これが大事です。」


太字は 『新・人間革命』第16巻より 抜粋

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世界のボーイスカウトたちとの友情

『新・人間革命』第15巻 開花の章 380P~ 

普段は、大石寺参詣者の休息所として使用している数息洞に 伸一が着くと、ちょうど第一陣のメンバーが到着したところであった。ボーイスカウトたちは、雨でびしょ濡れで、靴や足は泥まみれであった。

伸一は、ボーイスカウトの少年たちに声をかけながら、用意したタオルを手渡していった。

窮地という闇夜に光るのは、人を思いやる心と行動である。それは、人への尊敬から発する。誠実の火といてよい。アメリカの第32代大統領の夫人エレノア・ルーズベルトは、「文明社会のあらゆる人間関係の基となっているのは、相互の尊敬である」と述べている。



伸一は、大講堂に向かい、歓迎指揮本部をつくり、高等部員のなかから、語学委員や英語ができるメンバーで通訳団をつくった。

150人ほどの高等部員が はりきって集った。
伸一の指示は、間断なく発せられ、毛布の数や、食料品の確保など、伸一は、曖昧さを許さなかった。
一つ一つ厳しく確認した。もし、緊迫した状況のなかで、いい加減な情報に基づいて物事が進められれば、大失敗や大事故につながる。正確さこそが行動の生命だ。

伸一たちの奮闘を目の当たりにしていた音楽隊、鼓笛隊から、「避難してくるボーイスカウトの歓迎演奏をさせていただきたい」と申し出があった。皆が心を一つにして、自分に何ができるかを考える時、自ずから、よき提案が生まれる。

赤々と燃えるかがり火と、音楽隊、鼓笛隊の奏でる軽快な調べ、そして、高等部員の温かい大拍手に迎えられたボーイスカウトの少年たちは、驚きを隠せなかった。メンバーの顔にも、安堵と喜びの花が咲いた。


避難してきたボーイスカウトたちには、通訳の高等部員らの手で、パンやおにぎり飲み物等が配られていった。おにぎりは総本山の売店の人たちなどが、炊き出しをしてくれたものであった。その他の食料品は、輸送班の青年たちが、雨のなか、富士宮市街にまで行って調達してきたものだ。

人間の真実は行為にこそ表れる。人びとのために、今、何をなすべきかである。その姿を見ていた、ある国チーフが、伸一に感謝を述べに来た。「私たちの仲間には、砂漠の国から来た者もいます。生まれて初めて、台風を経験した少年もいます。恐ろしさで、胸がいっぱいだったと思います。それだけに、これほど深い真心に包まれ、一夜を送れることは、生涯の思い出となるでしょう。ありがとうございます。」

伸一は、約6時間時に激しい風雨にさらされながら、彼は陣頭指揮をとり続けたのである。翌朝、ボーイスカウトの少年たちは、すっかり元気になっていた。メンバーは、大石寺から自衛隊駐屯地などへ移動する、バスの乗車が始まった。夏期講習会を終えた高等部員も下山する日であり、それぞれのバスに乗るため、並んで道を歩いた。あちこちで、固い握手を交わし合う姿があった。

ボーイスカウト日本連盟の世話役の一人が伸一に駆け寄り語った。「私どもは、もっともっと、日本のなかで、理解すべきものがあったことを知りました。それは、創価学会についてです。」

この救援活動に、学会員は、慈悲の光を万人に注ぐ、社会貢献の時代の到来を強く感じたのである。
後日、ボースカウト日本連盟の理事長は、学会本部を訪問して、山本伸一に感謝状と盾を贈っている。

また伸一は、後年、世界を旅するなかで、「あの時、お世話になりました」という青年たちと、思いがけぬ嬉しい再会を重ねることとなる。社会を離れて仏法はない。ゆえに、わが地域、わが職場に、君の手で、人間主義の花を断じて咲かせゆくのだ。

<新・人間革命 第15巻 終了>


太字は 『新・人間革命』第15巻より 抜粋

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