『新・人間革命』第8巻 激流の章 P346~
伸一は、ともかく、韓国政府やマスコミの誤解を解くとともに、在日韓国人のメンバーに事実をありのままに伝え、いたずらに動揺することを防がなくてはならないと思った。
そこで、「聖教新聞」で、今、韓国で起こっている問題を特集を組むことにした。
これまでの事実経過が明らかにされるとともに、韓国側がいだいている、誤った認識を具体的に指摘し、その一つ一つについて、明快に説明していった。
第一に、勤行の時、初座で東方を向くのは、日本を礼拝するのではなく、太陽をはじめとした諸天善神を象徴する「東天」にあいさつをおくる意義からであり、アメリカのメンバーは日本にではなく、「東」にむかって読経する。
第二に、日本語で経典を読んでいるという点だが、「南無妙法蓮華経」の題目は、「梵漢共時」と大聖人が大聖人が仰せのように、語源的には梵語・漢語に由来している。経文も漢語である。大聖人はこうした国際性を誇りとしていた。
第三に、天照大神を拝ませるという問題も、誤解であり、学会では、天照大神を信仰の対象とすることはない。仏法の目から見るならば、天照大神も、正しい仏法の実践者を守る働きの一つであるにすぎない。戦時中、日本が皇民化政策のために、礼拝を強要したものとは、根本的に違う。
そもそも、初代会長牧口常三郎、二代会長戸田城聖は、戦時中、この天照大神の神札を厳然と拒否し、それゆえ、軍部政府の弾圧で投獄され、初代会長は獄死したのである。
第四に、軍国主義的であるという批判は、歴史を見れば明らかなように、学会ほど軍国主義と戦ってきた団体はない。学会は、軍国主義と正反対の、平和と文化の団体であり、全民衆の幸福のための団体である。
第五に、学会は純粋な宗教団体である。日本においては民衆を忘れた政治の、腐敗した現状を憂え、慈悲の精神から政治に参加したが、海外ではいっさい政治活動を行う意思はない。
「今回幹部派遣についても、韓国民との友好を兼ね、現地会員の信仰に誤りや行き過ぎのないよう指導すべく準備したものである。この点を十分理解されなかったことは、まことに残念なことであるが、これを機会に、韓国においても、創価学会に対する研究が行われ、正しい理解と認識に基づく評価が、やがて、行われるであろうことを信じてやまない」との理事長談話も 掲載された。
韓国では、国務会議で「今後、創価学会に関しては、これを取り締まり、その蔓延を防止する方向で施策を講ずる」との方針が決議された。さらに、創価学会に関する郵便物の取り締まりに協力するよう、要請が出され、日本からの 韓国への、学会出版物の郵送も困難になったのである。
太字は 『新・人間革命』第8巻より
韓国側が学会を問題視している事柄の大半は、かつて、植民地時代の皇民化政策や軍国主義と結びつけられたものである。それは、甚だしい誤解に基づくものであるが、そこに、足かけ36年にも及んだ、日本の支配の傷の深さをうかがい知ることができる。
日本は、神社への参拝を強制し、人間の精神の基盤ともいうべき信仰をも、力ずくで抑え込もうとしたのである。それだけに、日本の宗教には、過敏になっていたのであろう。
学会は、軍隊調で危険な団体だとか、学会は政界に人を送り、公明会をつくり、政教一致であると盛んに喧伝していたり、アメリカの著名な雑誌が創価学会を特集し、学会は世界征服を狙っていると報じたことも、影響を与えたのかもしれない。
山本伸一は、分析の末に、今回の韓国の問題は、誤解から生じているものであり、その誤解を取り除いていくならば、本質的には、何も問題ないと確信していた。
伸一は、ともかく、韓国政府やマスコミの誤解を解くとともに、在日韓国人のメンバーに事実をありのままに伝え、いたずらに動揺することを防がなくてはならないと思った。
そこで、「聖教新聞」で、今、韓国で起こっている問題を特集を組むことにした。
これまでの事実経過が明らかにされるとともに、韓国側がいだいている、誤った認識を具体的に指摘し、その一つ一つについて、明快に説明していった。
第一に、勤行の時、初座で東方を向くのは、日本を礼拝するのではなく、太陽をはじめとした諸天善神を象徴する「東天」にあいさつをおくる意義からであり、アメリカのメンバーは日本にではなく、「東」にむかって読経する。
第二に、日本語で経典を読んでいるという点だが、「南無妙法蓮華経」の題目は、「梵漢共時」と大聖人が大聖人が仰せのように、語源的には梵語・漢語に由来している。経文も漢語である。大聖人はこうした国際性を誇りとしていた。
第三に、天照大神を拝ませるという問題も、誤解であり、学会では、天照大神を信仰の対象とすることはない。仏法の目から見るならば、天照大神も、正しい仏法の実践者を守る働きの一つであるにすぎない。戦時中、日本が皇民化政策のために、礼拝を強要したものとは、根本的に違う。
そもそも、初代会長牧口常三郎、二代会長戸田城聖は、戦時中、この天照大神の神札を厳然と拒否し、それゆえ、軍部政府の弾圧で投獄され、初代会長は獄死したのである。
第四に、軍国主義的であるという批判は、歴史を見れば明らかなように、学会ほど軍国主義と戦ってきた団体はない。学会は、軍国主義と正反対の、平和と文化の団体であり、全民衆の幸福のための団体である。
第五に、学会は純粋な宗教団体である。日本においては民衆を忘れた政治の、腐敗した現状を憂え、慈悲の精神から政治に参加したが、海外ではいっさい政治活動を行う意思はない。
「今回幹部派遣についても、韓国民との友好を兼ね、現地会員の信仰に誤りや行き過ぎのないよう指導すべく準備したものである。この点を十分理解されなかったことは、まことに残念なことであるが、これを機会に、韓国においても、創価学会に対する研究が行われ、正しい理解と認識に基づく評価が、やがて、行われるであろうことを信じてやまない」との理事長談話も 掲載された。
韓国では、国務会議で「今後、創価学会に関しては、これを取り締まり、その蔓延を防止する方向で施策を講ずる」との方針が決議された。さらに、創価学会に関する郵便物の取り締まりに協力するよう、要請が出され、日本からの 韓国への、学会出版物の郵送も困難になったのである。
太字は 『新・人間革命』第8巻より