『新・人間革命』第6巻 波浪の章 P257~

6月7日は、第6回参議院議員選挙の公示の日であった。

今回の選挙で、学会が支援する公政連推薦の9人の候補者が当選し、非改選の6人と合わせて15人になれば、議員10人以上という院内交渉団体の資格をもつことになる。すると国会運営にも、さらに大きな影響力を発揮することができる。

会員たちは、これまで、自分たちが支援した参議院議員の活躍を見てきた。たとえば、清原かつが中心となり、義務教育の教科書の無償配布を推進。

これは同志である参議院議員の活躍の一部にすぎないが、そのメンバーが院内交渉団体をつくり、より一層、影響力をもつことに、会員たちは大きな期待をいだいていたのである。

支援する学会員は、今回は公政連という政治団体結成後の初めての選挙とあって、単に候補者個人のことだけでなく、公政連の政策をよく理解し、訴えていく必要があった。

この年の4月に、公政連の機関誌として、「公明新聞」が創刊されたが、同志は、これを熟読しては、公政連の政策や、現状の政治の問題点を、友人や知人に語っていった。

この支援活動のなかで、多くの同志は、かなりの政策通になっていた。
同志は、自分たちの力で新たな日本の政治の歴史を開く、使命と誇りに燃え、自分が立候補しているような気持ちで、公政連の政策を訴えた。

この参議院議員選挙の支援活動の、大きな推進力となっていたのが、一般的には政治への関心が低いといわれていた主婦層にあたる、婦人部員であった。それは、政治を自分たちの手に取り戻そうとする、目覚めた大衆の、新しい力の台頭であった。

彼女たちが、支援活動のなかで、説明に困った問題の一つに、公政連は 保守か、革新かとの質問があった。

伸一は、「公政連は、中道をめざす政治団体です。この中道というのは、中間ということではありません。従来の資本主義、あるいは、社会主義といったイデオロギーにとらわれることなく、国民の幸福と世界の平和を、どこまでも基本にして、是々非々を貫く在り方といえます。」

「全民衆の幸福の実現という観点から見て、良いものは推進し、悪いものは反対するという姿勢です。
」と自らの考えを話した。

山本伸一の激励の旅は、間断なかった。
文字通り、一瞬の休息もない、東奔西走の日々であった。

幹部たちは「まるで山本先生が4人も5人もいるようだ」と感嘆しながら語り合った。

さらに、周囲の幹部が驚いたことは、もともと病弱で疲れやすい体質の山本会長が、激闘が続けば続くほど、元気になっていくことであった。「先生は、こんなに動いておられるのに、どうしてお元気なのでしょうか」と尋ねた。

伸一は、ニッコリとほほ笑んだ。
「それが学会活動の不思議さなんだよ。"私には、励まさなければならない人がたくさんいる。みんなが私を待っている"と思うと、じっとしてはいられないし、勇気がわく。そして、同志に会うと、この人を奮い立たせよう、この人を絶対に不幸にしてなるものかという、強い思いが込み上げ、生命力があふれてくる。」

「だから、学会活動をすればするほどますます元気になる。戦うことが私の健康法でもある。」
「もちろん、人間だから、疲れもする。仏法は道理だから、休養も大切だ。しかし、学会活動をやり抜いた疲労は、心地よい、さわやかな疲労であり、すぐに疲れも取れる。」

「しかし、同じように学会活動しているように見えても、疲労が溜まる一方の場合もある。それは、受け身の場合だね。心のどこかに、言われたから仕方なくやっているという気持ちがあれば、歓喜もないし、元気も出てきません。」

「元気になるには、自ら勇んで活動していくことが大事だ。そして、自分の具体的な目標を決めて挑戦していくことだ。目標をもって力を尽くしそれが達成できれば喜びも大きい。」

「また、学会活動のすばらしさは、同志のため、人びとのためという、慈悲の行動であることだ。それが、自分を強くしていく。」

伸一の各地での激闘は、会員たちに、平和社会の建設という広宣流布への決意を促した。
仏法者の社会的使命を自覚した同志は、選挙の支援活動にも一段と力を注いでいった。

それにともない、公政連推薦の候補者や学会への脅しや、嫌がらせが激しくなっていった。


太字は 『新・人間革命』第6巻より抜粋