『新・人間革命』第3巻 平和の光の章 P311~

バンコクのレストランで女性従業員が 声をかけてきた。
学会員であった。

今回の訪問地には、まったく学会員のいない国もあると思っていたが、
これまでのところどの国にもメンバーがいたことになる。

アメリカやブラジルと比べれば、タイには広宣流布の小さな種が
蒔かれたにすぎなかった。それは、わずかな雨風にも流され、
吹き飛ばされかねなかった。

しかし、その一つ一つの種子を大切に育み、社会に根づかせていってこそ、
広宣流布の花園が開かれる。


学会の広宣流布は、国力をバックにしての布教でもなければ、
宣教師を送り込んでの布教でもない。

その地に生きる人が信仰に目覚め、使命を自覚するところから始まる、
民衆の内発性に基づいている。


ゆえに、一人ひとりが使命に奮い立つことに、伸一は全力を注いだのである。


アジアを歩けば、いずこの地にも、日本軍による戦争の傷跡がある。

日本人は、二度とこんな愚行を繰り返さぬために、
決して、この歴史の事実を忘れてはならない。
謙虚にならなくてはならない・・・。


そして、伸一は、一人の日本人として、アジアの人びとと同苦しながら、
今度は「幸福の道」「平和の道」を開いていこうと、決意するのであった。



太字は 『新・人間革命』第3巻より抜粋