『新・人間革命』第3巻 仏法西環の章 


「仏法西還」とは 「仏法東漸」の対語で、
太陽が東から西に向かうように、末法には、大聖人の仏法が日本からインドに還り、
全世界へと流布していくという原理のことである。


「時」は来た!
待ちに待った、悠久の歴史の夜は明け、ついに船出の太陽は昇った。
帆を上げよう。好機は一瞬にして過ぎ去り、再び帰ることはない。


 雲の井に、月こそ見んと 願いてし
 アジアの民に 日をぞ送らん



1956年(昭和31年)戸田城聖が 詠んだ和歌であった。


ー 雲の切れ間に、ほのかな幸の月光を見ようと願うアジアの民衆に、
それよりも遥かに明るく、まばゆい太陽の光を送ろう、との意味である。


ここでいう「月」とは釈尊の仏法であり、「日(ひかり)」とは
日蓮大聖人の仏法をさすことはいうまでもない。


戸田は、「諫暁八幡抄」などに示された、大聖人の「仏法西還」の大原理をふまえ、
東洋広布への決意を詠んだのである。
この戸田の決意は、そのまま、愛弟子である伸一の決意であった。


そして、今、伸一は、その実現のために、
この1月にインドをはじめとするアジアの地に、
東洋広布の第一歩を印そうとしていたのである。


太字は 『新・人間革命』第3巻より抜粋